のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

『Puss In Boots』および『Black Gold』のこと

2011-11-26 | 映画
就寝以外のあらゆる行為が面倒くさく感じられる今日この頃。

それはさておき
知らぬ間に『シュレック』シリーズのスピンオフ作品『Puss in Boots』(長靴をはいた猫)が全米公開されておりました。ギレルモ・デル・トロ(『パンズ・ラビリンス』の監督、本作では製作総指揮)がチョイ役で声の出演をしているだそうで。どうでもいいけど笑。

Puss In Boots Trailer 3 Official 2011 [HD] - Antonio Banderas, Salma Hayek


うーむ。
ワタクシこのキザったらしいくせにどこか間抜けな長靴猫のことは大好きでございますけれども、これを主役にすえて90分引っぱるのは、正直ちと難しいような気もするのでございます。こういうクセの強いキャラクターって、脇役という立場にあってこそ光るものではないかしらん。
また、この長靴猫が、クセが強くしかも人気のあるキャラであるからこそ、ひたすら小ネタを詰め込む一方で映画全体の構成はぐだぐだ、といういわゆる”キャラ頼み”な作りになってしてしまう恐れもございます。トレーラーを幾つか見たかぎりでは、その気配がふんぷんとするのでございますが。
いや、あるいは、『シュレック』シリーズ同様にさまざまな映画のパロディで彩られるらしい本作のこと、キャラ頼みな作りそのものすらもドリームワークス的ブラックジョークの一環なのかもしれません。数バージョンあるトレーラーのひとつで、あのディズニー最大のキャラ頼み映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』とそっくりの音楽を使っていることからもその意図する皮肉は明白...

なわきゃないですね。はい。

そうはいっても『シュレック』シリーズとは長い付き合いではあり、おとぎ話のパロディというジャンル自体がけっこう好きでもあるのろのこと、日本で公開されたらいそいそと観に行ってしまうことでございましょう。2Dでいいけど。


さてこの長靴猫の声を演じているのは言わずと知れたアントニオ・バンデラス。
バンデラスといえば来月の北米公開を控えているのが、20世紀前半のアラブを舞台にした『Black Gold』でございます。主人公はアラブの族長Amarの息子で、子供のときに他部族との和平の条件として人質に出され、その部族長Nesibのもとで育った青年。ところがアメリカの採掘会社が2部族の係争地域であった土地で石油を掘り当てたことから、敬虔なAmarとリベラルなNesibとの間で対立が再燃し、主人公は二人の父親の間で引き裂かれることに。主人公の育ての親であるNesibを演じるのがバンデラス。主人公の実の父親Amarを演じるのがソーターさんことマーク・ストロングでございます。

Black Gold Movie Trailer


うひゃあ!
ソーターさん!
なんてかっこいいんだ!オマー・シャリフもまっつぁおさ!
お母さんがオーストリア人、お父さんがイタリア人で、ご本人は生まれも育ちも英国というヨーロピアンブレンドのソーターさん。キャリアをざっと見渡しただけでもロシア人、ドイツ人、イタリア系アメリカ人、ユダヤ人に宇宙人と様々な系統のキャラクターを演じていらっして、アラブ系の人物を演じるのはこれで3度目でございます。
ひところはミュンヘンの大学で法律を学んでいたということですからドイツ語ペラペラのはずなのですが、ドイツ語圏の役柄よりも東欧やアラブ系の役が多いのは、やっぱり風貌のせいでございましょうね。どうです、このターバンの似合うことといったら。



監督は『薔薇の名前』のジャン・ジャック・アノー。と申しますと期待が高まりますが、『スターリングラード』のジャン・ジャック・アノーでもあると思えば油断は禁物でございます。
imdbによると年内に劇場公開するのはカタール、フランス、クウェート、レバノンそして米国で、来年1月にはスペイン、2月になってようやく英国とオランダで公開されるとの事。日本に来るのは早くても来年の夏くらいでしょうか。何にしても楽しみなことではあります。


あなた自身は外国語を話せますかというインタヴュアーの質問に対しては「(母方の)おばあちゃんが英語を話せなかったから、おばあちゃんとコミュニケートするためにはドイツ語を話さなきゃならなかったんだ」との慎ましいお答えでした。
Robin Hood star Mark Strong| interview | From the Observer | The Observer
それにしても「子供の頃、外国人同士のハーフである自分をアウトサイダーだと感じませんでした?」だの「お母さんはあなたを5歳で寄宿学校に入れたけど、あなたもそうしますか?」(ソーターさんは誕生前に両親が別れたため母子家庭で育ちました)だの、「20代で禿げてきて辛くありませんでした?」だの、このインタヴュアー、ちと物言いが率直すぎるような気が。ソーターさんが他所でしたインタヴュー記事を踏まえた上での質問のようではありますけれどもさ。


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