のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

8月6日

2010-08-06 | KLAUS NOMI
本日は悼む日でございます。

もちろん1945年の広島の劫火のただ中で、そして黒い雨の下で、地獄を見ながら死んでいった人たちを。
そして1983年のニューヨークの隔離病棟で、謎の病に蝕まれてひっそりと死んでいったアーティストを。
前者については世界中の皆様に悼んでいただきたい。後者については、ほんの一握りの危篤な方々に悼んで頂ければ結構かと存じます。そして今これをお読みんなっているあなたもその一人であるならば、ワタクシはとても嬉しい。

本日は
クラウス・ノミの忌日でございます。

このごろ版画づいておりますのろ、ノミで蔵書票を作ってみましたよ。
今年はワタクシにとって映画『ノミ・ソング』の鑑賞5周年でもあることですし。



絵具の固さを調整するのが難しく(なにせこの暑さでたちまち乾いてしまうのです)、残念ながら多色刷りの方はあまり綺麗にできませんでした。もう少し涼しい時期にまた挑戦してみようかしらん。
ともあれ、比較的うまく刷れたものをさっそく『完全演技者』に貼ってみました。



うっとり。

さて、当ブログにて、ヤツの半生の映画化企画について取り上げたことが何度かございました。
その後この企画はヤツの親友であったジョーイ・アリアスが進めているようでございます。

Klaus Nomi Movie In The Works! - New York News - La Daily Musto

ノミ役にはやはりアラン・カミングを念頭に置いているとのこと。企画が持ち上がった時点ですでにノミの年齢をこえていたカミング氏、そうこうしているうちにもう45歳になってしまったわけですが。去年かおととしにDVDで『ヘドウィグ・アンド・ザ・アングリーインチ』を観た時は、ジョン・キャメロン・ミッチェルって理想的なノミ候補ではないかと思ったのですが、この人も今や47歳なのでございますね。ワタクシとしては以前にも申しましたように、ドイツ語、ギョロ目、そしてデコの高さからキンスキーJrを推したい所。またデコという点で言えば『The Long Firm』で男娼を演じていたロバート・ボウルターという若いのも、なかなかよいデコの持ち主でございました。



どうです。
しかしまあ、この中で最も抵抗なくノミを演じてくれそうな人はアラン・カミングでしょうね、やっぱり。

それから、なんとフランスでもミュージカル化企画があるようでございます。

Klaus Nomi! - Tartuffe's Folly
A biographical musical fantasy, “You Don't Nomi”, is currently being developed and written by French playwright Baptiste Delval with no information about when it should hit the stage.

現在、フランスの劇作家Baptiste Delvalによって伝記ミュージカル・ファンタジー“You Don't Nomi”の企画が進行中。しかし目下の所、いつ舞台にかけられるかについては情報がない。


いつになるかは未定とのことですが、映画とあわせて2013年に完成・公開されるといいなあと、のろは思っております。
なぜって、2013年はヤツの没後30周年にあたるんでございますもの。
ヤツを追悼し、改めてそのぶっ飛び加減と美しさと愛らしさを評価するのには絶好の年ではございませんか。

ぶっ飛び加減と美しさといえば、最近こんな素敵なブログ記事と巡り会いましたですよ。

What Power art thou, who from below...:・葡萄庵 道草双紙--l'annexe--:So-netブログ
dido's lament:・葡萄庵 道草双紙--l'annexe--:So-netブログ

ヤツのことを真面目に語ってくださっている文章と出会うのは、本当に嬉しいことでございます。まあ、真面目であろうとなかろうと、語ってくれるだけでもありがたいんですけれども。特に浅学なのろは音楽を語る言葉を持ち合わせませんので、こちらさんのようにヤツの音楽性について延べておられる記事に出会いますと、ナルホドと感服する一方、ヤツがこの評価を聞いたらさぞ喜んだであろうに、てなことを思わずにはいられないのでございました。