のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

『ピカソとモディリアーニの時代展』

2007-01-20 | 展覧会
考え出すと何もできなくなるから何も考えないほうがいいのだ。
それでいいのか。よかあないのさ。

ともあれ

『ピカソとモディリアーニの時代展』へ行ってまいりました。




冒頭の解説パネルに書いてございましたが
ピカソがかのアヴィニョンの娘たちを発表したのが1907年のことなのだそうで。
丁度100年前のことでございますね。
この100年の間に、美術がいかに激しくかつ多様な展開を見せたかと思うと
感慨深いものがございます。

それ以前の時代なら、ごく大雑把に、かつ西洋に限って申すならば
15c ルネサンス  16c マニエリスム  17c バロック  18c ロココと新古典主義
19c ロマン主義と印象派・・・てな感じでまとめることはできますね。
しかし19c末以降、とりわけ20世紀の美術をひと言ふた言で概括することは
目下の所、不可能でございましょう。

本展の網羅している作品は(タイトルが示す通り)時間的にも地理的にも
わりかし限られた範疇のものでございます。
にもかかわらず、その中でかくまで多様な個性が開花しているということは
それ自体感動的でもあり、また本展には表れないものの、
デ・キリコが、デルヴォーが、マン・レイが、東方ではああ、キルヒナー
ほぼ同時代にそれぞれの場所で叫びを上げていたのかと考えますと
何やら胸に迫るものがございます。

モディリアーニはもちろんよろしうございました。
が、個人的に嬉しかったのはベルナール・ビュフェの初期作品、即ちこういった感じの
こういった感じの、そしてこういった感じの作品を見られたことでございます。
ビュフェと申しますと、60年代以降の、
強い線と華麗な色彩で、具体的な風景や静物を描いた作品がよく知られているようでございますが
のろは本展の石打ち刑に見られますように
厳しい絶望感の刻まれた作品の方がよろしいと思うのですよ。


1920年に没したモディリアーニの「時代」展に
1946年のビュフェ作品を含めるのはいかがなものか?と思わぬでもございませんが
まあ、よしといたしましょう。
「ピカソの時代展」では範囲が広すぎますしね。

そうそう、大丸ミュージアム梅田では、次回はピカソ展を開催なさるそうです。
ミュージアム窓口で、次回展と抱き合わせの割引チケットを購入できますよ。

どうも甚だ内容の薄いレポートとなってしまいました。
申し訳ございません。