のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

豆本。

2006-11-12 | 展覧会
先日ちと触れましたオリジナル豆本『絵本西洋書物史』。
カメラ氏が入院中でございますので、スキャナで無理くり取り込みました。



実物大でございます。
豆本と申しましても、あんまり小さいと「書物」としての楽しみから遠ざかるように思いますので
この大きさに留めております。
テキストの無い、オブジェとしての豆本ならもっと小さいものも制作いたしますが。

背表紙と小口は革。
表紙に使った紙は、11/4にご紹介したものです。
緑形の色が欲しかったので、ちと手を加えました。

全小口彩色、手編み花切れ(と言っても短いですが)



中身はこんな感じで。



製造番号入り。



イラストは、黒い部分だけ倍ぐらいのサイズのゴム版で制作したのち、PCに取り込んで彩色しております。
真ん中にヴェネチアのニコラ・ジャンソンが"ROMAN”てな文字を示しているのがございますね。
ヴェネチアなのに何でローマンなのかと申しますと
ニコラ・ジャンソンはそれ以前のゴシック体活字に変えて、美しく読みやすいローマン活字を開発した人だからでございます。
彼以前にもローマン体活字は使われておりましたが、まだゴシックの趣を残しております。
詳しくは ↓ こちらを。

さまざまな活字 インキュナブラ~西洋印刷術の黎明~

サイズの割りにはちとお高めとなっておりますので
売れるのか売れないのか正直ドキドキでございます。