仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

殺人にたいする抵抗感

2015年02月23日 | 日記
最近、ワイドショーにイスラム関係のコメンテーターとして出演している放送大学教授・高橋和夫氏がいます。その方が書かれた『イスラム国の野望』(幻冬舎新書)を読みました。
簡潔に書いてあるので、中東で何が起こっているのか。また「イスラム国」のことが、よくわかりました。

その本とは無関係ですが、気になっていることがあります。「イスラム国」の人質処刑という残忍な行為は許されるべきものではありません。気になっているとは、残忍な殺人かスマートな殺人かという主観的な快不快(?)の感覚で、殺人という行為に接してしまっている自分です。

リビアは、自国パイロットの惨殺を受けて“エジプト軍、リビアで空爆 「イスラム国」に報復 ”をしました。

報道には次のようにあります。

ヨルダンの報復空爆、56カ所に 「イスラム国」拠点
 
【エルサレム=時事】ヨルダン空軍は八日、過激派組織「イスラム国」がヨルダン軍パイロットを殺害したとする映像を公開したことを受け、七日までの三日間で「イスラム国」の拠点五十六カ所を空爆したと発表した。地元メディアなどが伝えた。場所は明らかになっていないが、「イスラム国」の支配地域の拠点であるシリア北部ラッカが中心とみられる。
 空軍のマンスール・アルジョブル司令官は八日、イスラム国の訓練施設や武器庫、兵舎などを破壊したことを明らかにし、「『イスラム国』の攻撃能力を約20%低下させた」と強調。また、「このテロリストを地上から一掃する覚悟だ」と述べ、今後数日間、空爆を強化する意向を示した。
 また、米軍率いる有志連合にヨルダンが参加して以降、約七千人の戦闘員を殺害したという。(以上)

また 【カイロ=共同】エジプト国営テレビによると、エジプト軍は16日(2015.2)、隣国リビアの過激派組織「イスラム国」の拠点を空爆したと発表した。(以上)

ネットでは“「イスラム国」戦闘員を狙った空爆の瞬間”も映像として流されています。

ました・イスラム国兵士の死亡者の報道は単発です。しかし「イスラム国」の惨殺な殺人シーンは何度も報道されました。そうした報道にさらされていると、私の殺人に対する感覚が一方向に洗脳されているようにも思われます。

以前紹介したことですが、米軍兵士の、わが身の危険な状況化での発砲率は,第二次世界大戦の15~20%から,朝鮮戦争では55%,ベトナム戦争では90%まで上昇しました。

その最大の要因は、兵士の訓練が、必要なときにも発砲しない兵士たちの殺人への抵抗感をいかに克服するかということに力点がおかれました。相手の顔が見えてしまうと殺人を躊躇してしまうので、殺人のときに相手の顔が見えないようにする。一人を銃で狙って殺すよりも,大勢に対して遠距離から手榴弾や散弾で殺すほうが抵抗が少ない。また,空爆などの手段を使えば,直接手を下すよりも間接的に殺すことができる、というものです。

アメリカの兵士が、殺人に対する抵抗感をなくしていったように、「イスラム国」兵士が死んでいくことに対する抵抗感がなくなっていく。そのようにマスコミによって私たちが誘導されている。そんな気もします。
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「フレーミング効果」としてのテロ

2015年02月22日 | 現代の病理
昨日(27.2.21)の新聞報道に「共産党の志位和夫委員長が衆院本会議の代表質問中に「さすがテロ政党」とヤジを浴びた問題について、自民党は2月19日、山田賢司議員がヤジを飛ばしたことを認め、共産党に謝罪した。」というものがありました。

不見識なヤジです。しかし私の危惧するところは、以前もかきましたが「テロ」イコール「極悪、弁解の余地なし、抹殺排除」というイメージを刷り込まれ、「これはテロだ」という言葉を聴くだけで、問答無用排除といった思いで物事を見てしまうことです。

すでに中国が自治区の異分子の人たちの行為を「これはテロだ」という言葉を使うことによって、以前は自治区の人々に同情的であった思いが封印されてしまっているようにも思われます。

こうした思い込み行動は、「フレーミング効果」の一パターンでしょう。

少し話は変わりますが、「フレーミング効果」について、「最新 行動経済学入門」(真壁昭夫著)に、次のようなことが紹介されています。

ある宝石店の店長は、宝石がまったく売れなかったため、いろいろ売り方を考えた。そうして考えついたのが、宝石の値段を下げるのではなく、むしろ値段を倍に上げることだった。店長自身、その冒険を心配していたのだが、宝石の売れ行きはその日から増え始めた。結果として、その店は高級宝石店というイメージが広がり、売り上げは以前よりもかなり増えたのである。

(中略)
「同じ宝石の値段を上げると売れ出した」という3ページの例にしても、宝石を買う側からすれば、安いときに買わずに値段が上がってから買うという、おかしいところ(合理的でない部分)がある。そうした行動の背景には、「宝石とは高価なもの」、あるいは「高価な宝石ほど、価値の高いものだろう」という一種の思い込みが働いていると考えられる。行動経済学ではこうした思い込み現象を「レフレーミング現象」と呼ぶ。(以上)

これから世界の主導者が「テロ」という言葉をどう使うか、見定める必要があります。
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権威は相対的なもの

2015年02月21日 | 日記
土曜の朝ウオーキングは、5時代のラジオ放送を聴くようにしています。「音にあいたい」が目当てです。

そろそろ「音にあいたい」の時間かなーと思い、スイッチオン。すると「今日は何の日」が放送されていました。以下は、私が聴き取った内容の一部です。

2月21日、今日は1911(明治44)年、夏目漱石が当時の文部省から授与された「博士号を辞退」、事前の報告もなく一方的に授与するという政府の権威を嫌ったものです。

1965年、アメリカの黒人公民権運動活動家マルコム・X 暗殺される。(以上)

漱石は政府の一方的に“与える”という権威を嫌い、片やマルコム・Xは、NOI(ネイション・オブ・イスラム) というアメリカ合衆国におけるアフリカ系アメリカ人のイスラム運動組織から脱退して、教団メンバーから暗殺されました。

ラジオを聴きながら“権威というものは、暴力的な一面がある”と思ったことです。権威そのものは暴力ではないのですが、時には、その権威を守るために、権威にあい対する者を無視したり否定するという暴力的側面を持っています。

それに対して「尊厳」というものは、自らを尊しとするような、相対するものによって成立するものではないようです。ウオーキング中に想ったことです。
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謝るという行為

2015年02月20日 | 日記
2日ほど前(27.2.17)、法務から帰宅すると、午後7時らのTBSテレビ「所さんの出番」“すぐ謝る日本人のなぞ”(27.2.27、7時)所さんのニッポンの出番!(2015年2月17日放送)が放映されていました。すでに後半部分でしたが、興味のなる内容でした。

ネットで[番組内容]を拾うと下記のようにあります。

すぐに謝る日本人の謎!?世界では謝る事でリスク負う場合があり、めったなことでは謝らないのが常識。日本の「謝る」とは何なのか?そこには意外な真実が!(以上)

記者会見で謝る人が「お騒がせしてすみません」と謝る描画があり、「何をお騒がせしたのか」と外国が理解できなかったのですが、日本人は「それは世間でしょう」と当然のように答えていました。

日本人が謝るのは、謝ることによってまた関係が継続していく、島国で暮らす人の知恵が生みだした文化であるといった収まりどころでした。

謝るということの中にある日本文化。昨日同様、謝るという一行為の中に、必然の世界が開かれていくことがおもしろく思われます。
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ハインリッヒの法則

2015年02月19日 | 日記
車の運転中、ハッとすることが1つ月に一遍くらいある。こうしたことが続くと事故を起こすことになります。

ハインリッヒの法則というものがあります。
法則名はこの法則を導き出したハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ(Herbert William Heinrich)(1886年 - 1962年)に由来しています。彼がアメリカの損害保険会社にて技術・調査部の副部長をした1929年11月19日に出版された論文が法則の初出でとあります。

彼は、ある工場で発生した労働災害5000件余を統計学的に調べ、計算し、以下のような法則を導いた。「重傷」以上の災害が1件あったら、その背後には、29件の「軽傷」を伴う災害が起こり、300件もの「ヒヤリ・ハット」した(危うく大惨事になる)傷害のない災害が起きていたことになる。というものです。ハインリッヒは、「重要なのはその数字ではなく、それらが同じ原因に根ざしているという事実である。」と指摘しているという。

私の場合は、車を運転しながら、よそ見をする。その偶然と思われる中にある必然に思いを馳せるとき、偶然が違った意味を持ってくるようです。、
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