仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

人は四住期を経て解脱?

2015年02月10日 | 浄土真宗とは?
ウオーキング中、ふと「古代インドでは人生を「学生期」(がくしょうき)・「家住期」(かじゅうき)・「林住期」(りんじゅうき)・「遊行期」(ゆぎょうき)の4つに区切るという考え方は、仏教以前の考え方ではないか」という想いがわいてきました。

英に着いて調べると、やはり古代インドのバラモン教の思想で、人生の至高を生活と分離したところに求める考え方によっている文化のようです。

思考パターンの系統は煩悩を否定して菩提を得ることです。浄土真宗は、どろどろした生活苦の中に、如来の慈悲との触れ合いがあるという考え方です。これは記録にとどめていくべきだと思いアップしておきます。



 「マヌの法典」(岩波文庫)は人生を「学生期」「家住期」「林棲期」「遊行期」の四住期に分け、それぞれの住期において守るべき準則を詳細に規定している。
 
 初めの「学生期」は師についてベーダを学ぶ時期である。
 「入門の儀式を行いたる後、師は先づ第一に学生に身体の潔斎、作法、聖火の礼拝、及び朝夕の薄明時の勤行の諸規則を教うべし
(中略)
 学生期を終えた者は結婚して子をもうけ、仕事に励んで家に住む家住期に入る。
 「人生の四分の一の間を、師のもとに過ごしたる後、バラモンは結婚して、その生涯の第二の四分の一を家に住すべし」(4-1)
(中略)
 さて、子を育て終え、孫の顔を見る年齢に達したとき、「マヌの法典」は人に対して、家を出て森林に移り住む「林棲期」に移行せよと託宣する。
 「家住者、顔に皺より、毛髪灰色となり、その子に子息を見るに至らば、その時、彼は森林に赴くべし」(6-2)
 「耕作による全ての食物、及び彼のすべての財産を捨て、その妻を子に託し、或いはこれを伴いて森林に赴くべし」(6-3)
(中略)
 そして、法典は、森の民たる林棲期を経た者に、更に身にある物を捨て去り、無一物になりきる「遊行期」に移行することを促す。
 「されど、かくして人生の第三の部分を森林にて過ごしたる後は、世事に対するあらゆる執着を捨てて、その生涯の第四の部分を遊行に過ごすべし」(6-33)
 最早、定まった住まいすら振り捨てる時期に至るのである。
 「捨つることなく、捨てらるることなき孤独者に、解脱の成就ありと了知し、常にただ独り、成就を求めて、伴侶なく遊行すべし」(6-42)
 
【参考文献】「マヌの法典」田辺繁子訳 岩波文庫 昭和50年2月20日第11刷
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