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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

ルポ 日本の土葬②

2023年05月16日 | 日記
『ルポ 日本の土葬――99.97%の遺体が火葬されるこの国の0.03%の世界』(2023/1/20・鈴木貫太郎著)、知識として知っておきたい部分だけ転載します。


 
 厚生労働省が発表した衛生行政報告例によると、2020年度に日本で行われた葬送の総数は143万233件-そのうち142万984件が火葬で99・97%。土葬は全体の約O・03%にあたる、393件しかない。そのうち300件は死産の胎児で、成人の土葬となると、わずか93件だ。こうした統計を見ただけでも、一般的な日本人にとって土葬の選択肢はなきに等しいと伝わってくる。

 一般的に「アブラハムの宗教」とも呼ばれるユダヤ教、キリスト教、イスラム教の各一神教は、大地の創造主である神の力による死後の復活と、来世の存在を信じていることに共通点がある。
それゆえ遺体を焼いてしまうと、復活すべき肉体が失われる、つまり復活できなくなると行えるわけだ、このイスラム土葬問題に関する各種の報道を見ても、そこには「神に与えられた体を尊重する教えと復活の信仰があるため、ムスリムたちは土葬を強く希望している」という一般的な説明がよく付されていた。

1965年12月まで4公期に分けて開かれた第2バチカン公議会は、現在のカトリック教会を方向づけたともいかれている。1950年代までのカトリック教会は、近代主義に反するような姿勢を維持してきたが、第2バチカン公議会以降、社会に対する門戸を開き、柔軟な体制に変化していく。この第2バチカン公議会が認めた方針のひとつに、火葬による葬送がある。火葬は、「復活」や「魂の不滅」などの教義に、必ずしも違反しないと容認したのだ。火葬前の葬儀ミサ開催や遺灰散布の禁圧などといった条件は今でも残っているが、火葬はカトリックのなかでも着実に増加している。


「まず人が病院で亡くなると、医師が死亡診断を発行してくれます。だいたい死亡診斷書と死亡届は対になっていて、次にその死亡届けを役所の担当窓囗へ提出します、ここまでは火葬と同じですね。土葬の場合は、ここで『土葬の許可を下さい』と窓口に伝えるんです。すると、大抵は「どこで埋葬するんですか。」と聞かれるので、埋葬予定の場所を伝えます。うちに埋葬する場合は、「本庄児玉聖地霊園」ですと答えると、役所から確認の電話が私に入ります。そして私が、確かに土葬を受けておりますと回答して、霊園に関する資料を送ると、役所は許可を出す。(つづく)
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