仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

浄土宗850年記念の広告記事

2022年12月15日 | 日記

『読売新聞』(2022.12.14)に、浄土宗の浄土宗開宗850年記念の広告記事が掲載されていました。

 

座談

 

田中優子(法政大学名誉教授)

井上広法(浄土宗僧侶)

戸松義晴氏(浄主総合研究所副所長)

笑い飯・哲夫氏(漫才師)

 

 

哲夫 田中さんは江戸文化がご専門ですが、「江戸時代と幸せ」についてお話しいただけますか。

田中 幸せでなくなる大きな原因は戦争ですが、戦争のない社会こそ江戸の社会の目標で、実際に、永きにわたって戦争のない時代でした。それは「経世済民≒勿体ない」という考えに基づく自給自足で無駄のない循環型社会で、人々は好奇心旺盛で教育熱心でした。絵に描かれた寺子屋の子ども達の様子は、どれも幸せそうです。幕末以降に来日した多くの外国人の手記には、「日本人は幸せそうで、よく喋りよく笑う」と異口同音に書かれています。

 

哲夫 井上さんは心理学を学び「幸せ」をテーマに執筆や講義をされていよすね。

 

井上 今の日本人、あまり笑ってませんね。生きづらい世の中の反映でしょうか。私は、法事は定期的に故人と出会い直すことて、悲しみから喜びを紡ぎだす場だと考えています。持続的な幸福感の要因の半分は遺伝子で、1割は社会的要因(お金や地位、名誉)ですが、4割は本人の意図的行動即ち「心がけ」であるという最新の研究があります。近年言われる「ウシルービーイング」とは、「心がけのあ方」を変えてゆくこと。それを支えるのが宗教の役割だと思っています。

 

田中 江戸時代は寺請制度で全ての集落にお寺があって、人々の生活の中に仏教が根づいていました。人の「死」を引き受けてくれて、そこに行けば心が洗われるような場所。お寺には、そういう働きをこれからも担ってほしいですね。

 

井上 大切な人の「死」をも預けることで安心を得られるような、関係性をつくることが大事ですね。

 

哲夫 昔に比べて地域の関係性も希薄になりましたが、お寺さんがもう一度人々をつなげて、笑顔を広げていってほしいですね。

 

戸松 お寺の中心とは、なんといっても檀家さんや地域の皆さんなのです。もっと門戸を広げて気軽に来れる場所にしていかなければと思いま。

 

井上 お寺が事業を行う際、クラウドファンディングも広がってゆくでしょう。「檀家さん」というよりお寺の「ファン」を増やしていくのです。これからは「寺」対「家」ではなく、「寺」対「個人」でゃっていくことが大事です。

 

哲夫 現代は技術が進歩して自由な時間が増えたはずなのに、皆さんは忙しそうです。江戸時代の人たちには遊ぶ時間やゆとりがあったのでしょうか。

 

田中 江戸時代の人は、実に遊ぶのに熱心でした。今に比べると何事も手間や時間がかかるのに、遊ぶ時間はしっかり確保していたようです。

 

戸松 生活に遊びがあることは幸せですが、今の私たちは、つい構えてしまい、詰め込みすぎて疲れてしまう。あせらず、ゆったり遊びたいものです。

 

 

(以下省略)

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