超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 4巻/伏見つかさ

2011-12-12 08:53:28 | 俺の妹がこんなに可愛いわけがない






「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」4巻読了。




この巻は色々面白かった。まずは冒頭のあやせの話ですね。
このお話は普通に笑えて普通にオチてるんですけど
それ以上にあやせがどれだけ友達思いで、真面目な子なのか?っていうのがよく分かるエピソードになっています。
かつてあやせは桐乃に対して自分の価値観と合わないからって拒絶してしまった、という
痛々しいエピソードがあるんですけど
それに関しての贖罪とも言えるお話になってるんですよね。
オタク関連で傷つけた過去があったからこそ、
その関連自体で埋め合わせをしたい、っていうあやせのある種の精神的成長を描いている訳です。
でもこの話の更に面白い部分は、
桐乃だけではなく加奈子に対しても同様に信頼している一面を見せるんですよね。
間近でずっと観てきたからこそ分かる彼女の才能や立ち振る舞い。
例の京介がぶっ飛ばされるシーンはごちです!って感じだったんですが、同時に
そこでこのアイディアを思いついて実行出来る位、
あやせにとって加奈子っていうのは高い評価を置いている人物なんだと。
若干腹黒さも垣間見えましたが(笑)。
それでも、やっぱり根は真面目ないい子なんだよな、っていうのが良く分かるエピソードになってました。
その中で必死にレイヤーを応援する桐乃もまた良い味出してたけど(笑)。
加奈子もまた本当は純粋なだけなのかも、と思えるお話でした。


京介が桐乃に対して今までとは別の感情を抱き始めたのは3巻ラストでも示唆されていましたが
この巻では桐乃に感謝された事によってなんと泣いてしまいます。
これには驚きましたが(笑)。
でもやっぱり、心の中では認めて欲しかった、彼もまた構って欲しかったんだなっていうのが
よく分かるような一連のシーンでした。
同時に、今まで水面下でアプローチするだけだった桐乃もここでまた素直な表情を出せて、
お互いに抱えていたものを吐き出すようなお話でもあったんですよね。
桐乃のパーティのお話は。
本当はもっとこういう表情や会話したいんだろうけど、やっぱりまだ心境の面で難しいんだろうな。
だがしかしお互いが本当の表情を出す時こそが「俺妹」の真骨頂でもあるので
これから先の巻の感想を書くのも楽しみですね。

そんな桐乃も、アニメで御馴染みですが陸上がきっかけで留学をすることになります。
その最後の日を、なんと兄である京介と一緒に過ごす、っていう
どう考えてもニヤニヤもんのエピソード(笑)。
でもここで一番ニヤニヤしちゃったのは赤城兄との邂逅かな・・・。
京介の慌てっぷりが尋常じゃなくて
見てるこっちまである意味ヒヤヒヤする(笑)。そんな珠玉のワンシーンでした。
おまけに結局おホモだちと思われちゃったしね・・・正に残念な結末でござる。

その出立の数時間前のエピソードは本当に興味深いですね。あの時何を見せようとしていたのか
陸上を始めたきっかけはやはり京介がらみの事だったのか、
それとも・・・
と言いつつ、最後の日くらいは頑張って笑顔で、表情を隠さずに居たかったんだろうな~って考えると
それもまたいじらしい演出ではありますよね。最後には黒猫さんが同じ高校!?という驚愕の出来事も(笑)。
漫画で言うなら第1部完って感じの4巻ですかね。
桐乃の嫉妬、素直さの表現、そして兄への感謝・・・
それが表現された読み心地の良い4巻目でした。どんどん可愛くなってくから
読み進めるのも面白かったですね。1巻と比べると桐乃も段々本当の顔を出せるようになってるんだなー、と。


個人的に印象に残ったのは、
クリスマスイヴに京介が買ったあのピアスをあやせ達に自慢するシーン。
もしかしなくても、どう考えても
嬉しく思ってるだろ!
大切にしてるだろ!
そう思わざるを得ない描写に何気にニヤリ。こういうのが原作ならではの良さなんですね。
おまけに麻奈実とのシーンでは小姑のような態度にニヤニヤしまくり(笑)。
でもこれって
麻奈実の存在を脅威だと思ってるから、どっからどう考えてもお似合いだと思ってるから
それでいて自分は妹っていう立場だから・・・アレしちゃったんでしょうね。
自宅がそんな空間に染まっていくのが耐えられなかった、と。
そう考えると
あのエロトラップも彼女なりの必死の抵抗だったのかも。
イタズラではなく、抵抗。
そんでもってあれを考えたのが実は黒猫さんだった!というのも何気に衝撃的だ(笑)。
アニメから逆流するとこういう新鮮な驚きがあるから面白いですね。
桐乃の比率が多くて私得な一冊でした。満足♪


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