超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

NICO Touches the Walls@日本武道館 10.3.12

2010-03-13 04:38:39 | ライブレポ


さて、行って参りましたNICOの初武道館。


・・・ん、なんていえばいいんですかね。
正直な話、あまりにも良すぎて逆に言葉が出てこないというか。
単純な言葉で言うと、自分の人生の中のベストライブの上位に食い込むような、
そこまでのカタルシスを感じてしまったんですよ。
まあ、つまりは、早い話、最高だったっていうことですよ!
あそこまで武道館が似合うバンドになっていたとはね。
ってのが今自分の中で率直に浮かぶ感想です。

ちなみに椿屋四重奏とmonobrightからお花が届いていました。前者はちと意外かも。分かるけど。


会場に着いたのが開演の30分前、相変わらず武道館付近は独特の雰囲気というか
伝統の匂いを感じさせる土地鑑で
毎回ここに着く度に「ああ、来たなあ」って思います。ダブルミーニングでね。
 集客に関してはベボベと同じくらいだったかな?
完全に埋まっては無いけれど、でも一応形にはなっている感じ。
正直スカスカな場合も想定して行ったんですが、これだけ多くの人が集まって来てくれていて嬉しかったです。




開演時間から5分が過ぎた頃あたりでライブがスタート、まずは青い光が会場を照らしつつ
スクリーンにメンバーが映し出されて、それはみんなでライブ前に気合を入れている映像でした。
そこから、そのままメンバー登場!
これは特別感を煽った効果もあっていい演出だったと思う。こっちも気が引き締まった。

一曲目は、インディーデビュー作の一曲目でもあった「そのTAXI、160km/h」。
個人的にこの曲が一曲目だったらいいな、ってちょっと思ってたので何気に嬉しかった。
しかも、これが非常に堂々とした演奏で。
気合が入ってる、というのは当然感じられたんですが、それを含めて地に足が着いてる感じ。
一曲目からハイライトかよ!って思うくらいのステージングだったと思う。文句なく格好良かった。
つーか、マジで武道館に似合ってたのよ。彼らも曲も。

そこからの「ビッグフット」のロックンローラーっぷりも見事でしたね。
この曲で一気に会場をNICO色に、彼らのロック色に染め上げる事が出来ていたように思えます。
この曲も本当、大きな会場向けだなあ。
「証たちを~」のフレーズをアレンジして何度も繰り返してたのが印象的だった。

続く「Eden」で更にバンドの勢いは加速、2階席まで届く怒涛の疾走感に痺れつつ
青さを強調した照明と相まって、別世界に連れて行かれてるかの如きトリップ感も同時に受けてました。

ここでMC挟み。
「僕らと皆さんで武道館に大きな足跡を刻もうじゃありませんか!」とでっかく宣言する光村龍哉。
「でっけーぜ、武道館!」と率直に感想を口にしたり、
「2階席の人見えてる?」とか観客に呼びかけたり相応のはしゃぎっぷりを見せつつ
「僕も小学校の時、松田聖子を観に武道館へ来ました。 渋いでしょ?」と自身の武道館初体験を語り
その後「対馬くんドラムお願いしますよ!」と行って次の曲に突入。



で、その曲は「バニーガールとダニーボーイ」だったんですが、
これがまた武道館に合う合う(笑)。なんかさっきからこの表現多様してますけれども、
実際似合う!って感想がまず頭に浮かんでしまっていたのだから仕方ない。
もう磐石の盛り上がりっぷりで、ハンドマイクで客席を煽ったりと本人たちもノリノリ、
質の良いロック・スターっぷりを存分に発揮してました。

「April」と「プレイヤ」という比較的あまり演らない曲もプレイされてたんですが、
これがまたえらい良くて。
前者は元はカップリング曲とは思えないくらい気持ち良くポップに響いていたし、
後者に至っては明らかに他の曲と雰囲気が違うっていうか、異色の名曲として響いていたのが痛快でした。
こういうコアな一面もあるってことで。
それは後にもう一回体験するんですけども。

そこからの「Lonesome Ghost」の流れは、はっきりいって反則。
ってかよく考えたなこの流れ!きっちり「プレイヤ」と繋がってるよ。
 武道館で聴く「Lonesome~」は思った以上に格別で、
まるであの広い会場がクラブホールと化してしまったかのような、そこまでの感触を受けてしまいました。
マジで気持ち良かったわあ・・・。

もう一つ新譜から「錆びてきた」、この曲はプレイ中ずっとフラッシュがパチパチ焚かれていて
その演出が非常に曲によくハマっていたのと、
最後のほうで炎がバーン!と上がった演出も中々良くて、
それでいて元々の演奏がしっかりしてるもんだから当然というべき格好良さ、
 しかし「風人」であっさりとその沸点を越え、
この曲もずっと炎の演出があったのですが、それとは関係なしに曲自体がとにかく最高、
というか自分の観た限りめちゃめちゃ盛り上がってるように感じられました。
前半のハイライトを「プレイヤ」~「Lonesome Ghost」とすると中盤のハイライトは間違いなくここでしょう。
それにしてもあの時は自分も本当に高揚してたな・・・。

再びMC、
光村「聖地と言われてる場所だけあって何でも気持ちいいわ」
  「ハメ外して行こうと思ってます」と宣誓。
した後に、ツアーの思い出を語るコーナーがあったんですけど
古村くんも坂倉くんもどっちもDSについての話で「DSしかねえのかよ!」って突っ込まれてました。
その辺はやはりみっちゃんのまとめが上手くて、
千葉LOOKでライブした時に3時間トイレを我慢していた話でキッチリ笑いをとって賑やかしていました。
 てか、まさか武道館で千葉LOOKの話が聞けるとは! 身近なハコだけに、思わずニヤリ。
「千葉LOOKに観に来てくれていた人いますか~?」の問いかけに思わず前のめりで手を挙げてしまった(笑)。
でも自分の他にも結構いて、なんだか感動。



ここから後半戦、キーボードを入れて再スタートの「Aurora」。
アルバムのショート版ではなく、ピアノバージョンから始めてフルの「Aurora」を聴かせてくれました。
この構成も特別感があって良かったな。

「ホログラム」は正に武道館でこそ聴きたかった曲なので自分の中で非常に盛り上がる、
続く「芽」も往々にしてスケール感でかい!と思って観てたら
光村龍哉の表情がめっちゃ笑顔で、ああ、気合入れてるだけじゃなくてちゃんと楽しんでもいるんだな
ってことがよく伝わってきて、それも良かった。

しかしここでまた重箱の隅を突くように「GANIMATA GIRL」!ギターリフだけでも上がる。
もちろん歌も非常にハジけててただただ気持ち良い感じで聴けていたんですが
最後の方で思いっきり特効がパンッ!と鳴らされ、実際にハジけてもいました。
こういうのがあるからでかい会場は面白いんだよな。

その流れを更に加速させるように投下された「THE BUNGY」「Broken Youth」に至っては、もう!
言葉にならないくらい出来すぎ。
前者では「さっさと武道館飛べよ!」と歌詞を変えて歌ったシャウト部分が気持ち良すぎて絶頂、
後者ではもうイントロの部分で大きな歓声が上がるくらい、完成されたアンサンブルの凄みがありました。
「Broken~」のイントロが鳴った瞬間の高揚は忘れられないだろうな。
 途中で古村くんも極まりすぎたのか、床に寝転がってギターソロ弾いたりとメンバー達も相当気持ちよかった様子。
そりゃそうだなと。音でも伝わってくるもの。

それが持続してしまったのか、古村くんは続く「かけら」でも轟音のギターソロを弾いていましたが(笑)、
その「かけら」~「トマト」の流れからは、
バンドアンサンブルの力強さを上回るくらいの光村龍哉のボーカリストとしての芯の強さを感じました。
っていうか出てた。剥き出しで。
改めて声量すげえな、と思いつつ。歌だけでも聴かせられるパフォーマンス力も見事だなと。
そんな思いと共に、しんみりとした、でもどこかやりきったような雰囲気の中本遍は終了。



もちろんアンコールもやってくれました。
ただし、通常のアンコールではなく、バンドセットをわざと前の方に寄せる形での敢行。
つまりはライブハウスの仕様に少しでも近づけた訳ですね。うん、粋だ。
「下北沢251もこんな感じ!」と、みっちゃん。

「image training」からバシッとスタート、
「N極とN極」では恒例のシンギングタイムがありつつも、それよりもやっぱリフが格好いいんだよ!
と、この曲のリフの強さを再確認。
 そしてここでバンドからお知らせ。
既に公式でも出てますが、次のツアーが決まったそうです。
その名も「ミチナキミチ」ということですが、
このタイトルの由来は「全て行ったことの無い場所だから」、とのこと。
この言葉を聞いた瞬間、「じゃあ横浜とかにも来んのかな?」って思ったらズバリ当たっていて笑った。
 で、このツアーでは毎日新曲をやる!ってことで
それに先駆けてこの日も新曲を。「速度」という曲なんですが、これは何と言ったらいいんでしょうか、
ありそうでなかった的な?
しかしこれが大変格好いい曲で、ファンキーさも感じさせるアンサンブルが新鮮で聴き応えがありましたね。
ポップな部分とコアな部分を合わせていた印象もあるかも。これシングルで切るかな?

最後の最後は・・・「壁」!
この選曲は正直やられましたよ。めちゃめちゃ渋い終わり方じゃないですか。
しかも「壁」ですからね。「壁」。
正に「Walls Is Auroras」ってタイトルの公演にはふさわしい締めだったんじゃないでしょうか。
振り絞って熱演するメンバーの姿も当然格好良い。熱唱に継ぐ熱唱。

全ての演奏が終わった後は、真ん中、右端、左端の3箇所で万歳をしてたんですが
わざわざ思いっきりステージを全速力で駆けて行くメンバーのハシャぎっぷりがいちいち面白かった。
つーか、若いなー!あのテンション。

アナウンスが流れた後にスクリーンに「サンキュー 武道館!」「また会おう NICO Touches the Walls」
という文字が映し出されて、本格的にこの"晴れ舞台”は幕を閉じました。
正しくもう思い残す事は何もなし!ってくらいの満足感でした。私的には。




えーと、総評必要ですか?(笑)。
ここまで一曲一曲を絶賛しといて総評もクソもないような気がするんですが。
だってもう全曲の感想語ってるし。
ぶっちゃけ一曲一曲がハイライトのようなものでした。

というかですね、この武道館が発表された時って割と不安要素のが強かったというか
端的に言うとまだ早い!って風評が多かったと思うんです。
実際私も面白いなと思ったものの、ちょっと急いでるのかなって思う部分もあって。

で、この日ライブを観ましたら、もうそういう印象とは全く真逆でね。
早いどころか、むしろ遅かったくらいなんじゃない?っていう。
それは集客的な意味じゃなくて、実力という部分でね。つまりは相応だと感じた訳です。
これでフルに人が入っていたならば更に完璧なライブになっていたと思うんですが(客観的に考えると)、
まあそれは一種のないものねだりだと思うんで最早言いませんが
確実に言えるのは、この日のNICOは紛れもなく「武道館アーティスト」だった、ってことですね。実際にね。
 それくらいしっかりと、武道館を消化できていたような、そういうライブだと個人的には思いました。
これはちょっと予想外だったなあ・・・。まごうことなき「最高」のライブだった。


うーん、取り敢えず今はもう少し余韻に浸っていたい感じです。
なんかもう色々と凄すぎでしたね。
参った。



セットリスト
1.そのTAXI、160km/h
2.ビッグフット
3.(My Sweet)Eden
4.バニーガールとダニーボーイ
5.April
6.プレイヤ
7.Lonesome Ghost
8.錆びてきた
9.風人
10.Aurora
11.ホログラム
12.芽
13.GANIMATA GIRL
14.THE BUNGY
15.Broken Youth
16.かけら-総ての想いたちへ-
17.トマト
encore
18.image training
19.N極とN極
20.速度(新曲)
21.壁


はあ、気合入れすぎて書いてて疲れたわ(笑)。
本遍でも記述してますが「Aurora」はフルバージョンでした。
 それとついでに、このツアーは自分3回参加してましてZeppとLOOKにも行ってたんですけど
折角なのでそれも載せておきますね。
この日やらなかった「アボガド」とか「泥んこドビー」も何気に聴けてたんだな。

Zepp Tokyo
http://blog.goo.ne.jp/nijigen-complex/e/9f36d190d2cdf67c45e740e23b52d463

千葉LOOK
http://blog.goo.ne.jp/nijigen-complex/e/dd39417e24a41bc293afdcec260e7e2a



つー訳でNICOにとって大きな経験の一つになったであろう今ツアーも無事終了ですね。
かなりの好ツアーだったと思います。
それを受けてのこれからの活動も、俄然期待が高まりますね。
私としてはこの武道館でNICOが再び演る機会がくればいいなー、って思ってます。
クソ長いレポになってしまいましたが、
ここまで読んでくださった方どうも感謝です。