さて、今日で3月も終わりですね。
明日から4月。
という訳で月末恒例「kocorono」全曲レビュー、その2は「3月」です。
今年の3月も去年に引き続き濃かったなあ。
夜に電車が止まってずっと中で死にそうになってたこととか。
あれは本当に凍え死ぬかと。
といいますか今年の3月は微妙に寒かったですね。雨も多かったし。
この「3月」という曲は、疾走感のあるギターロック、ですが
文字通り本当に疾走してるような雰囲気の歌詞であり
音自体は非常に勢いのあるバンドサウンドなのに
歌詞の中ではグッタリとしてうなだれている、みたいな
そういったアンバランスな感じがとても耳に残る曲です。
そしてこの曲は所謂「サビのない曲」でもあります。
今でこそ状況が違うとはいえ、当時はこういう音は全然浸透していなかったはずで
そこでこういう白黒のはっきり付いてない方向性で一曲をやり切る、ってのは
中々出来ないよなあ、なんてことを思いつつ
出来るだけシンプルにそぎ落としたサウンドは、やっぱり聴いていて気持ち良さも十分にあるよな、とか思います。
「何でそこまでしてぼくを ぼくをいためつける
もうたくさん それでじゅうぶん ブルーにそまるぼく」
3月の晴れ渡る空に自分の心を重ねて、憂鬱な感情に浸っている。
思春期っぽい雰囲気もあれば
疲れ切った大人みたいな雰囲気もあって、
そのどちらにしても「やりきれないよなあ」みたいな感情が、
ただそのまま剥き出しで鳴らされているような
そういう曲であると思っています。
それと、春が来て街は賑わっているのに、自分の心は全然賑わってないという
ひとりぼっちの寂しさ、みたいなものも感じられる曲だ、とも。
音は爽快なのに、詞はとても寂しい。そんな「3月」。
次は「4月」です。月末に、また。