アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

学習漫画「よくわかる近現代史1~3」

2018-05-19 11:00:26 | 映画とドラマと本と絵画
    2020年から学校で、「歴史総合」という教科の導入が始まるそうです。これまで日本史と世界史を別々に学んでいたところを、双方同時に学ぶことで世界のなかで日本がどのような影響を受け、動いてきたかを知るという目的なのでしょう。その先取りともいえる学習漫画を見つけました。

   角川まんが学習シリーズ「日本の歴史別巻 よくわかる近現代史1~3」です。歴史を総合的に学ぶなら、最も大事なのは近現代史。明治維新以来、日本は、欧米列強、中国をはじめとする東南アジアの国々とどのような関係を築き、また壊してきたか、国内にどんな影響をもたらしたかといった事柄は、イデオロギーとは無関係に基本的な素養だとおもうのですが、知っておくべき事柄を学ばないまま、学校教育を終えた人は、たぶんとても多いと思います。

   最近の学習漫画ブームは、こうした基本的な素養を身につけるうえで、ものすごく便利。わたしは、「史記」も「三国志」も「項羽と劉邦」も漫画で学んだし、日本の戦国時代や古代史の一端、明治維新前後の激動の時代も、いくつかの漫画でイメージをつかむことができました。まだまだ不足の部分は山のようにありますが、広く浅く知ることがとりあえずたいせつなこと、とおもっています。

   さて、この3巻は、明治から現代にいたる日本の歴史を中心に、欧米列強や清朝末期からの中国の動向についてポイントを押さえながら解説。視点的人物に外交官(架空の存在)をおいたことで、とてもわかりやすくなっています。

   学習漫画のいいところは、第一番に風俗がわかること。この漫画も、とりたててその時代の文化について言及していない箇所でも、髪形や服装、食べ物、家などがしだいにかわってきたのだなということがわかります。昔も、人間はちゃんと生きて生活していたのだな、と実感できます。大人にとってはこんな事当たり前にわかっていることでしょうが、子供には教科書だけでは実感しにくいとおもう。

    小中学校の歴史の教科書は、はっきり言って単語の羅列。優等生でも、たいてい暗記しているだけで、実感をもって流れをつかむことはなかなかできていないように思います。本を読んで、教科書を補完できていたらいいのですが、そうはできていない子がほとんどのはず。漫画で補えたらてっとりばやい。
  
    個々の事柄はほとんど知っていましたが、世界史的な視点で見るとまた違って見えるのが新鮮でした。子供だけでなく、さらっと浅く知りたいおとなにもおすすめです。

    最後に一点だけ間違いを指摘します。3巻目に60年安保闘争を描いたコマがあるのですが、国会議事堂を取り巻く学生たちがヘルメットをかぶりタオルでマスクしています。これは間違い。ヘルメット、マスク、角棒は70年安保の時の学生たちの姿。60年安保の折は、学生たちは普通のシャツとズボンです。私の記憶では白いワイシャツと黒いズボンだったとおもう。ずっと地味でした。

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