アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

映画「魂の行方」

2023-07-12 00:15:26 | 映画とドラマと本と絵画

  2017年のアメリカ映画。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%82%E3%81%AE%E3%82%86%E3%81%8F%E3%81%88_(%E6%98%A0%E7%94%BB)舞台はアメリカ北部と南部の境のあたりにあるらしい田舎町。その町にある古い教会の牧師が、イーサン・ホーク扮する主人公です。彼は息子をイラク戦争で亡くし、妻に去られた孤独な男。アルコール依存症になっています。

  その彼のもとへ、一人の女性信者から、夫に会ってくれと頼まれます。彼女の夫は環境活動家。精力的に各国の調査や反対活動に携わっているのですが、妊娠した妻に、「子を産むな」と強く迫っているというのです。理由は、急激な異常気象に対しての不安。将来子供が成人した時に、彼はきっとひどい世界で生きざるを得ず、そんな世界に送り込んだ父母を恨むだろう。子供にそんな思いをさせたくない。彼の懸念には十分現実味があることを、牧師は理解します。

  妻の要望は、絶望の底に沈んでいる夫を助けること。でも、牧師は、地球と人類の未来に絶望しか見いだせない夫を説得するすべを持ちません。

  舞台は、田舎の教会と彼の部屋、主人公の属する大きな教会、若い夫婦の家、あとは周辺の公園などだけ。登場人物は少なく、お金はたいしてかかっていない。でも映像がすばらしい。色調をおさえ、撮られるものはなんてことないのに、センスがいい。一つのショットを映す時間も、よくよく計算されているように思う。

  激しくなる一方の気候変動と、大企業による環境汚染。子供たちに豊かな地球を残す、なんてほぼ不可能としか思えなくなりました。世界を造った神に対する冒とくと言った文言も出てきました。一方、人間がここまで追い詰められているのに、神は救いの手を差し伸べないとの嘆きも。ノアの箱舟の話も出てきます。

  最後は、この不安な時代を生きる私たちに、「あなたたちはこれからどうするのだ」との問いを突き付けているように感じました。重い映画でした。

  


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