アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

バジルの話

2011-07-01 18:22:03 | 林と畑と庭づくり
  5月のはじめごろだったかに苗箱に蒔いたバジルがなかなか育たなくて、いいかげんあきらめていました。

  ところが先日、久しぶりに様子を見に行ったら、このところの大雨のおかげか、急に生長していました。雨のあとだったこともあって、生き生きしていました。背丈はとっても小さいけれど、いちおう枯れずに育っていました。よかった!

  写真はその二日後のようすです。水が切れてしまったので、色が悪くなりましたが、枯れずにすんでいます。下の写真はまとめて移植したもの。ほそぼそとですが、何とか生き延びてくれそうです。

  先日、豊田市旭地区で就農しているSさんから、こんな話を聞きました。

  「名古屋に住んでいたとき、バジルの苗を二つもらいました。ひとつは化学肥料を施した苗、もうひとつは、化学肥料をやるのを忘れた苗。どちらも見た目は同じで、2本を同じ庭に植えました。肥料苗のほうはすくすく立派に育ち、肥料のないほうはほそぼそと、それでも何とか育ちました。で、両方の葉っぱを食べ比べてみると、ぜんぜん違うのです、香りが! 肥料のないほうが断然いい香りでした」

  香りが命のバジル、いくら葉っぱが大きくてたくさんついていても、香りが薄くては値打ちが半減します。このSさんの話を聞いて思い出したことがあります。

  20年ほど前、ハーブがまだ日本ではあまり知られていなかったころ、あるハーバリストの本に、「日本で育てたハーブは、どうも香りが薄い。本場のヨーロッパとは土質が違うからだろう」と書いてあったのです。

  Sさんの話から想像するに、このハーバリストが育てたか買ったかしたハーブ類は、もしかしたら化学肥料だけで育てたものだったかもしれません。ヨーロッパには、タイムやローズマリーが自生している場所もあるそうです。そういう野生のハーブ類と日本の近代農法で育てられたハーブ類とでは、香りが違うのは当たり前。土質のせいもあるのかもしれませんが、あきらめるまえに、野生に近い環境にして育ててみたら香りはぐんと強くなるかも。

  そういえば、私の畑地で唯一元気に育っているハーブ、ミントは、訪れる人みんなが、においの強さと緑色の鮮やかに感心します。畑とは名ばかりの野原で何年も生きてきたミントは、たぶん雑草並みに強くなっているから芳香も強いのだと思います。狭い苗箱で、水もろくにもらえない過酷な環境でここまでなんとか生き延びてきたバジルも、ミント並みにたくましく育ってくれるといいのですが。

  

   

     




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