骨で聴く異世界

耳を使わずに「聴く」世界を旅します。耳をふさいでいても聴こえる世界です。

パブリカを骨で聴く

2012-09-21 12:33:15 | 骨で聴く名車

 国産車の中でも稀有な存在であるトヨタのパブリカは、1955年に当時の通商産業省で立案された国民車構想に遡ります。いわば「国民車」の位置づけに相当し、国によって後援しようというものでした。ドイツのフォルクスワーゲンが文字通り国民車ですが、これは「日本版フォルクスワーゲン計画」ともいえるものでした。

 しかし、ことは簡単に進まず、結局、公式な政策にはなりませんでした。
 トヨタも国民車構想をそのまま実現するという考え方は持っていなかったようですが、技術開発推進の見地から、1,000cc級より更に小型の車の試作を開始するようになりました。
 そこで誕生した新開発のエンジンは697cc、強制空冷水平対向2気筒OHVのU型エンジンで、トヨタ車史上唯一の空冷エンジンでした。

 車名の「パブリカ」は、一般公募により決定されました。パブリック・カー(Public car)からの造語で、トヨタとしての国民車の位置づけに相応しい名称です。

 パブリカは軽量なフル・モノコック構造のボディにより、全長3,500mm余りの簡素なボディでした。現在のクルマでもよくある2ドア3ボックスのボディで、大人4人を載せる最低限のスペースを確保していました。独立したトランクスペースを設けていたのも特徴でした。

 今では公道で見かけることはなくなったクルマですが、日本の自動車史上に輝く存在のクルマです。トヨタとしては初の大衆車となり、ラインナップの中で最小車種として位置付けをキープしていました。この流れは現在販売されているヴィッツへと連なるものといえます。

 このパブリカのエンジン音を聴く機会はほとんどありませんが、こんなクルマこそ骨伝導の最新機器で聴きたいものです。米軍が採用した特許技術による最先端の骨伝導機器と往年の名車との対比はなかなか興味深いものです。

          ⇒ 特許技術活用の骨伝導機器


最新の画像もっと見る

コメントを投稿