骨で聴く異世界

耳を使わずに「聴く」世界を旅します。耳をふさいでいても聴こえる世界です。

アキュラNSXを骨で聴く

2014-02-21 11:43:31 | 骨で聴く名車
バブル景気絶頂期の1989年に発表され、販売開始は翌年の1990年9月14日。
以来、2005年12月末までの15年間、フルモデルチェンジを行うことなく製造され、翌年の2006年まで販売していたホンダの2シーター・スポーツカーがNSXです。

北米ではアキュラのブランドで発売されていました。このアキュラ(Acura)とは、本田技研工業が1986年にアメリカ合衆国・カナダで開業した高級車ブランドで、トヨタ自動車のレクサス、日産自動車のインフィニティの開業が1989年でしたから、それに先立つものでした。

NSXのデビュー当時、市販自動車としては類を見ないボディで注目されました。「オールアルミモノコック・ボディ」の採用でした。そのためほとんどを手作業で行うこととなり、他のクルマのように産業用ロボットによる流れ作業製作は不可能でした。

日本車で唯一のスーパーカーとも評されたことは、そんな特殊性が如実に物語っています。

世界的に見てスーパーカーといえばフェラーリやポルシェなどです。NSXの開発もこれらの高級スポーツカーを比較対象することとなりました。
その中でもフェラーリのV8モデルであるフェラーリ・328を徹底検証し、これを上回る走行性能を目指して開発されました。

しかも驚くべきことに、開発段階からアイルトン・セナや中嶋悟などが走行テストに参加していたのです。この時代は、ホンダがF1チームにエンジンを供給していた関係で、実現したことだといえます。

F1ドライバーの彼らからは、ボディー剛性の低さを指摘されたようです。
そこでドイツのニュルブルクリンクなどで8か月にわたる走行テストを繰り返し、世界初のオールアルミ製軽量高剛性ボディーの完成に至ったのです。



心臓部分のエンジンも、レジェンドのエンジンをベースにしたV6 SOHC 4バルブ 3.0L(265PS/6,800rpm)を、当時まだ開発中だったVTECを完成させ、NSXの独自のものにしました。

このNSXを所有することはできませんでしたが、運転席に乗ったことはあります。
そのときの驚きも凄いものでした。運転席からの水平方向の視界が311.8度というデータが示すように、従来のいわゆるスーパーカー、特にフェラーリやランボルギーニと比較して運転席からの視界がきわめて良好なのです。

しかも、運転席に座ると明らかにホンダ車だと感じるのです。
不思議な驚きを感じつつ、そのまま異世界に突入する運転を楽しみたかったのですが、現在までその機会はありません。

日本が誇る技術力はホンダだけでなく、骨伝導機器もあります。
NSXが北米市場でも評価されたように、米軍の無線機アクセサリーとして騒音環境でも通話を可能にする骨伝導ヘッドセットは日本の技術力によります。
その知られざる驚異的な技術を一般向けの商品にも応用したもの、さらには米軍で使われているのと全く同一の製品も手に入れることが可能です。

一般に公開しているのは下記のサイトです。

     → 米軍採用・特許技術の骨伝導機器

NSXから刺激されて、日本の世界に誇る技術力に触れてみるのも良いかと思います。


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