骨で聴く異世界

耳を使わずに「聴く」世界を旅します。耳をふさいでいても聴こえる世界です。

金神神社を骨で聴く

2016-04-26 11:29:42 | 骨で聴く巡礼旅
何とも金運に恵まれそうな神社の名前の金神神社ですが、知名度が低いため参拝者の数は少ないといえます。
どこに鎮座しているかというと、神奈川県川崎市麻生区で、小田急多摩線の五月台駅と栗平駅の中間地点です。高台の住宅街の外れのような場所です。



境内の下側から見上げると、まるで城跡のような雰囲気で、都内近郊の住宅街というイメージは全くありません。
しかもここへ至る道は、何とも分かりにくいといえます。決して複雑に道路を右折・左折を繰り返すわけではありません。しかし何の表示もなく、急な坂道を登り、住宅に囲まれた場所にいきなり現れる参道は、探そうと思わなければ見つけにくいといえます。



祭神は、天祖参神、金山比古命、金山比女命です。

天祖参神というと福岡県嘉麻市の社に鎮座していますが、天御中主神、高皇産霊神、神皇産霊神のことで、神典の巻首に載られし元始造物の大主神とされていて、なぜここに祀られているのか分かりません。
おそらく由来を調べればある程度は分かるのかもしれませんが、不思議な気分はそのままにしておいても良い気がします。

金山比古命と金山比女命は『古事記』にも登場する神です。

イザナミが火の神カグツチを産んで火傷をし病み苦しんでいるときに、その嘔吐物から化生した男神と女神です。金属に関する技工を守護する神とされていますので、社名との関係が見えてきます。



注目すべきは側宮の福寿大黒天です。




大黒様・大国主命ですが、社殿の左側にある側宮に祀られていて、米三俵の上に乗っているのが珍しいといえます。
しかもこれは、江戸時代に青ケヤキの巨木を一木彫したもので、高さ7尺7寸(約2.3メートル)もあります。かなりの迫力があります。
国内随一の大きさと言われていますが、偽りなしの大きさに驚きます。



地元の人を除けば、わざわざ参拝に来る人がどれだけいるか分かりませんが、金運アップの願いだけでなく、この大黒天を見に来るだけでも価値のある神社です。まさに穴場的な神社です。