骨で聴く異世界

耳を使わずに「聴く」世界を旅します。耳をふさいでいても聴こえる世界です。

桑田山温泉を骨で聴く

2008-01-11 10:41:28 | 骨で聴く巡礼旅

 蟠蛇森(⇒蟠蛇森を骨で聴く)に来たならば、ぜひとも訪れなければならない温泉があります。桑田山温泉です。読み方は「そうだやま」といいます。

 高知県須崎市の国道494号線から山間部に入った場所にあります。
 須崎市街から距離的にはそれほど離れているわけではありません。しかしクルマで行こうとすると、かなり狭い山道を通ることになります。途中にはクルマ同士がすれ違うえないほど細くなっている部分もあります。そのせいか辺鄙な場所、秘湯というイメージもわいてきます。

     

 山村のイメージそのものの集落、山を吹き抜ける潮風、のどかで時間が止まって知ったかのような雰囲気。すべてが一体となって秘湯が現れます。

      

 やがて山の中に突如として建物が出現します。目指す桑田山温泉です。
 手前側の小さい建物が共同浴場で、奥の鉄筋の建物が宿泊施設です。

     

 おもむろに中へと入ります。
 都会の日帰り温泉施設とは明らかに異なります。伝統的な公衆浴場です。

     

 源泉温度は20度ということなので、沸かした湯でしょうが、浴室内に入るなり独特な臭いがします。硫黄をしっかりと感じます。この独特なムッとした臭いは苦手な人もいるでしょう。

 温泉紀行ライター・ドラケン石原氏(⇒でじたる書房)のコメントを紹介しましょう。

「かなり濃厚な硫黄泉で、高知の湯でここほどダイレクトに硫黄を感じるのはここだけ」

 そしてこの温泉には伝説があります。
 ご存知、弘法大師です。
 弘法大師がこの地を訪れ、その地の美しさに思わず「花に染んだ山」と言った事に由来すると言われ、そこに湧出する温泉の効能を村人たちに伝えたのが始まり、とされています。その後、葉山城主、津野氏の隠し湯として重宝され、以後順調に歴史を重ねてきたようです。

 弘法大師伝説の温泉は数多く、泉質も様々です。桑田山温泉はアルカリ性硫化水素泉でしょうか。別のホームページには、ヒドロ炭酸、気化水素、ナトリューム・クロール、カルシウム、フッ素、ホー酸等の泉質とありました。

 何はともあれ温泉を堪能し、疲れを癒したあとは、何も考えずにボーっとしていたいものです。無我の境地は無理にしても、何だか霊泉に心も身体も洗われたような開放感が素晴らしいのです。

     

 四国・高知の旅は、新しい明日を運んできてくれるようでした。
 あ、そうそう、忘れてならないのは骨伝導です。温泉を骨で聴きましょう。
 これは文字通り耳ではなく骨で聴くことを意味しますが、無意味にそうするわけではありません。耳ではキャッチできない音を骨で感じ、脳波にまで温泉の効能を伝えるためなのです。

 ⇒ 詳しくは骨伝導専門サイトへ