略称は「S8(エスハチ)」とも呼ばれる往年の名車がS800です。本田技研工業がホンダ・S500、ホンダ・S600に続いて登場させました。ホンダのSシリーズとしては第3弾になり、1966年1月~1970年5月の間に生産されました。
水冷直列4気筒DOHCエンジンが搭載され、デフから先の動力伝達に2本のローラーチェーンを用いる後輪独立懸架が主な特徴でした。
Sシリーズは徐々に排気量が拡大され、S800のエンジンでは、ボア×ストロークがφ60.0mm×70.0mmまで拡大されたことで、排気量は791ccとなりました。現在の軽自動車の排気量を上回りっていました。
このエンジンは、量産小型スポーツカーとしては、ありえないくらいのこだわりを持ったものでした。ここまで凝りに凝ったエンジンを搭載するクルマは、当時どこにも無かったと言われるほどです。
モーターサイクルの世界でグランプリを制覇していたホンダの誇りが注がれていました。それこそはケタ外れに高度な技術で、エンジンルームの眺めだけでも、魅力に溢れるものでした。
水冷4気筒DOHCは、現在の基準では平凡に感じるかもしれませんが、当時としては精緻で美しく高性能を誇り、4連キャブレター、4本のエキゾーストマニフォールド、組立式のクラ ンクシャフト、ニードルローラーベアリング等々、高回転高出力のための技術がぞんぶんに駆使されていました。
最高出力は70PS/8,000rpm、最大トルクは6.7kg·m/6,000rpmで、この時代の排気量に対するパワーは相当な数値といえます。最高速度も160km/hと発表されていました。
歴史的な名車となったホンダS800を、改めて眺め、骨伝導を使って周囲の音声を聴いてみます。残念ながら官能的なエンジンの音を聴くことはできませんが、当時最高のエンジンに触れ、現代の最先端特許技術の骨伝導機器が交差します。
⇒ 最先端の骨伝導機器
かつての名車、エンジンへのこだわり、米軍で採用された日本の特許技術を使った骨伝導機器、この組み合わせは最高です。