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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

GPS捜査の光と陰。 brightness and shade of investigation by global positioning system

2017-03-16 19:41:41 | 日記
 (1)我々はもちろん犯罪のない社会を望む。それは我々の生活、権利、人生が安全で安心、自由で満足のいくものでありたいからであり、国に国民として税負担、投資者としてその対価として実現を望むものである。

 一方でそのために国、警察権力が犯罪抑止効果のために捜査権力を必要以上に格段に強化すれば、戦前の特高警察のように国民の人権抑圧、侵害に及ぶ危険性が高くなり、善し悪し半ばするやっかいなものだ。

 (2)犯罪のない安全社会が個人の自由、権利、生活を保障する許容、許諾範囲のものかが悩みだ。近年の捜査手法は自白偏重から証拠主義が採用されて、捜査力強化のために市街地の防犯カメラの設置やおとり捜査など新手法も取り入れられて人権侵害も問題になっている。

 そのひとつ、警察が容疑者の車に密かに勝手にGPS(全地球測位システム)機能を取り付けて追跡して証拠を押さえる捜査手法が適法かで争われた裁判は、これまでの地裁、高裁では捜査令状(investigative warrant)がなければ何人も強制捜査されない憲法第35条により違法と判断したのが5件、おとり捜査のように任意捜査の範囲内で適法としたのが4件(報道)と司法判断が大きく分かれる結果となっていた。

 (3)警察としてはおとり捜査、GPS捜査は通常手続きの捜査令状を取っての捜査では実効性、犯罪抑止効果がないとして、警察独自の任意捜査の判断でGPS捜査を続けてきた。
 TVニュースではGPS捜査対象となった容疑者がインタビューで、いつでもどこでも監視されていたとなると気持ちが悪い(趣旨発言)と話していたが、犯罪に関係のない、かかわらない誰も彼もがそういう捜査対象になる可能性(共謀罪法案で問題化)のある社会となればまさしくそういう国家、警察権力による監視社会であり、自由で満足な人権保障生活とはいえない。

 (4)前述のように国、警察が犯罪抑止優先を前面に出して捜査手法、手段を選ばないということになれば、国民生活、権利抑圧、侵害に及ぶということにもなり捜査令状主義に反する違憲、違法行為となるだろう。

 警察がGPS捜査(global positioning system)で捜査令状を取って対象者に示していては捜査にならないというのは、一方的な警察の手法、手段を選ばない逮捕に重点を置いたバイアス(bias)な立場の主張であり、危険ではある。

 (5)この問題で最高裁は、捜査令状のないGPS捜査は「プライバシーを侵害し得る」(判決要旨)として「特別の根拠規定がなければ許容されない強制の処分」(同)で「令状がなければできない」(同)と刑訴法に違反すると判決した。

 一方で最高裁は「GPS捜査への刑訴法上の令状発付は疑義がある」としてGPS捜査の実効性、犯罪抑止効果そのものは否定せずに適法化に向けた環境整備を求めたものだ。

 (6)国はまずは国民個人の人権、生活、自由、権利を保障することがなによりの責任であり、それを抑圧、侵害する捜査手法には効果があるとしても慎重に法律で適正に規制することが求められる。
 

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弁護士出身政治家。 a politician from the ranks of a lawyer

2017-03-15 20:09:17 | 日記
 (1)稲田防衛相が足元の自衛隊員から「頼りない」との発言があったとの報道を見て、女性の時代を代表する存在として頑張ってほしいとの感慨もあったが、防衛相就任以来の態度、言動を見ていると適任者(a well qualified person)でないのはもう動かしようもないものだ。

 安倍首相の理念、考え、思想に近いとして重用(安倍首相が自ら政界に誘ったといわれている)されてきたが、防衛相として疑惑の森友学園理事長との関係を問われて「記憶だけで」(本人談)事実と違う自らに都合のいい発言をして、野党から指摘、追及されると一転そういうことなら、そうでしょうと答弁を撤回、陳謝するというに至っては、国民の負託を受けた政治家として失格と言わざるを得ない。

 (2)自らけじめをつけて責任を取らなければならない。国と国民の安全、生活、権利を守るべき防衛相が「記憶だけで」自らの言動を正当化する態度には、危険極まりない国益不利益な存在だ。

 「記憶だけで」防衛業務を遂行されては、国民、近隣諸国、国際社会にとってはたまったものではない。冒頭の自衛隊員の「頼りない」発言も致し方のないところだろう。
 トランプ大統領はイスラム難民拒否の姿勢を同入国禁止の大統領令で鮮明にして、核軍備も強化に転じる方針をあきらかにして威嚇外交を展開しているが、このトランプ大統領が「核」のボタンを持ち歩くことに懸念はないのか、稲田防衛相と同じような不安、危険性はある。

 (3)近年の弁護士あがりから政治家への主流の流れに乗った稲田防衛相の政治転出だ。前大阪市長の橋下徹さんも同じような経歴で、ともに弁護士としての社会正義のパラダイム(paradigm)遵守というイメージとはほど遠い利己主義が前面に出てのパフォーマンスの軽さがつきまとう。

 弁護士の世界は、近年、弱者救済の使命感よりは相談弱者からその利益さえも奪い取る悪質な事件が目立つようになって、社会正義の弁護者というイメージは崩れている。

 (4)それにあわせたかのような弁護士あがりの政治家転出の主流であり、もちろんその中に社会正義のパラダイム実現に政治家として使命感を持ってあたる人材もいるとは思いたいが、いわゆる法の網の目をくぐる政治家としての利己主義ばかりが目につく弁護士あがり主流の政治家群像だ。

 稲田防衛相が弁護士出身(a politician from the ranks of a lawyer)として「記憶だけで」当の疑惑問題に対して自らに都合のいい言動をくり返し、あげくに野党に指摘されて答弁撤回、陳謝に負われるなどとは、「人格」として極めて問題が大きい。

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安倍以後。 after premier abe

2017-03-14 19:42:06 | 日記
 (1)石原慎太郎さんまでが田中角栄待望論を書いて、書籍の世界では田中角栄元首相の昨年からの評価、期待がまだ続いている。最近も次期総裁に意欲をみせているとみられる石破茂前地方創生担当相が田中角栄元首相の「最後の愛弟子」とのキャッチフレーズで田中角栄礼さん本の推薦文を書いていた。
 多分に安倍以後(after premier abe)の総裁選をにらんだ動きであるのは間違いない。

 (2)その田中角栄元首相は、日本列島改造論で新幹線、高速道路網整備による公共事業優先による全国土地価格の上昇をもたらしてバブル経済をつくりだし、金権政治による派閥力学で長期自民党政権を支え、その延長線上の金権腐敗政治で首相在任中のロッキード事件にからんで汚職贈収賄事件で逮捕され首相を追われるという末路を迎えた政治家だ。

 (3)その頃からの自民党長期政権時代の公共事業優先借金財政の積み重ねが、現在の1000兆円超に及ぶ国家財政債務超過の借金のツケを国民が払わされる結果の政治状況を招いているわけで、時代は財政健全化に向けた計画的歳出抑制政策を目指す時代を迎えている。
 政治の世界では、今さら田中角栄的政治手法が礼さんされる時代状況ではない。

 (4)田中角栄元首相の時代を顧(かえり)みれば、戦後の経済第一主義、国家再建路線の中で、インフラ整備、公共事業優先による国力増強社会であったから、田中的金権派閥力学の政治手法も効果、意味があったともいえて、その役割を終えて今日的情報化時代、社会、グローバル経済社会では一部権力志向主義者による懐古調の田中角栄待望論でしかない。

 (5)そこで安倍首相、官邸一強時代といわれる今日的政治状況であるが、自民党は自民党内の政治力学(political dynamics)により安倍内閣の比較高い支持率を背景に、安倍総裁(首相)続投をにらんで総裁任期を連続3期9年に延長を決定した。

 直近の世論調査では、安倍首相が3期目も自民党総裁を続けた方がよいと答えたのが45%で、代わった方がよいが41%ときっ抗する結果(女性に限れば、続けた方がよい42%、代わったほうがよい40%)となった。

 (6)自民党支持率は30%台と野党第一党民進党6%を問題にせずに大きく引き離している中で、これは国民が自民党政権継続を見越して自民党内の政権、政治力学を想定しての自民党政権内のきっ抗論だ。

 かって小泉元首相は弱小派閥に属しながら総裁選に挑み続けて、ついには国民的人気、党員支持の高さから総裁、首相にのぼりつめた。

 (7)世論調査の結果では、今日的自民党内においても安倍首相に代わる総裁出現の国民的関心、期待の高さもみられる。
 安倍首相は森友学園問題(同夫人の関与もふくめて)で国会追及のなかでイメージ低下がみられて、内閣支持率を7%も落とした。

 安倍首相頼みの経済効果の低調、19年10月の消費税10%引き上げ方針などで安倍首相の前途も必ずしも安泰ではなく、今後の政治状況の変化から目が離せない。

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戦闘と自衛隊撤収。 hostilities and withdrawal of the self defense forces

2017-03-13 19:34:47 | 日記
 (1)政府は南スーダンPKO自衛隊の派遣を5月末をめどにやめることを決定した。昨年末に駆け付け警護に宿営地防御のあらたな任務を追加して、交代部隊を派遣して国際貢献を強調してのこれからという今年5月末の唐突な派遣自衛隊の撤収(withdrawal)には政策の善し悪しは別にして違和感は当然にある。

 安倍首相が唱える積極的平和外交の主義にもそぐわないもので、まして一定の任務を完了したからという唐突な政府の説明もこれだけの国際貢献事業がもっと計画的に準備されて用意周到性が見られなければ、とても整合性を持たない。

 (2)南スーダンPKO自衛隊派遣では、駆け付け警護に宿営地防御のあらたな任務追加で、現地での紛争、戦闘(hostilities)に巻き込まれる危険性が増大して、平和が維持されていることが派遣条件のPKO自衛隊活動(インフラ整備部隊任務)に不安と危険が懸念されていた。

 安倍首相は派遣自衛隊のあたらしい危険任務への責任として、南スーダンPKO自衛隊に紛争、戦闘で死亡者が出た場合は首相を辞任すると明言して、任務の安全性を強調してみせた。

 (3)ところが昨年の現地自衛隊員の日報に「戦闘」という報告が記載されていたことがあきらかになって国会で取り上げられて(その間、稲田防衛相への同報告が1カ月も遅れ隠ぺい、文民統制欠如の疑いも指摘され)、稲田防衛相がこれを憲法、法律で定められた国と国との戦争、戦闘状態ではないと本来自衛隊員の生命危険性が現実問題となっている事態に対して都合のいい解釈論でごまかそうとしてさらに批判を浴びた。

 政府としては現地自衛隊員の日報に他にも「戦闘」の記載が見受けられて看過できない危険事態を無視できなくなってきていた。

 (4)このまま南スーダン派遣自衛隊員の危険切迫を見過ごして仮に現地隊員に被害者が出ることになれば、直接自らの責任発言により安倍首相の辞任問題に発展することが考えられることもあり、政府は自衛隊撤収を決断したと考える。

 それはそれで南スーダンPKO自衛隊派遣の平和維持条件が損なわれて崩れているとすれば当然の撤退対応、措置であり問題はないはずが、政府は日報に記載された「戦闘」を認めずに唐突に任務の一定の完了として撤収を決めた。

 (5)現地の平和が維持されていないことを隠して認めずに任務の完了を撤収理由にすれば、それはそれで安倍首相の唱える積極的平和外交主義に反するものであり、政策矛盾を示すことになる。

 しかし隊員日報の「戦闘」報告を正しく把握、理解して派遣条件がすでに崩れているのであれば、素直に認めて撤収することがなによりの正論であり必要なことだ。

 (6)安倍首相の憲法理念を無視した国際貢献偏重が矛盾を露呈するのは必然のことであり、自衛隊員の生命危険を覆い隠すことなど出来るはずもないことだった。
 

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教育国債と授業料無償化。 national debt of education and free of fee of univ.

2017-03-12 20:00:07 | 日記
 (1)安倍内閣、自民党が執(と)る社会保障、教育政策は民進党の考えとよく似てきた。憲法改正をにらんで野党第一党の民進党の取り込み、議論参加が必要なことから意図的に歩み寄っているのか、国民受けするいいものはいいとして執行権のある政権の有利さから取り入れようとしているのかよくわからないが、民進党からはいいとこ取りとして警戒感もある。

 教育の無償化(free of fee of education)もそうで、大学などの授業料完全無償化を進めようとしている。

 (2)09年当時民主党政権時代に子ども手当、高校授業料無償化を進めて、その後の安倍政権でも子ども手当の充実を継続して、昨年9月の民進党代表選では敗れた前原誠司衆院議員が同選挙戦で大学授業料無償化を主張して、自民党安倍政権が大学授業料無償化を検討している。

 教育の完全無償化(perfect free of fee of education)を実現するためには5兆円(報道)の予算規模が必要とみられて、自民党はこれに教育国債(national debt of education)を発行して財源にあてる案が浮上している。

 (3)確か、民進党の前原案でも教育国債(national debt of education)の発行があげられていたと記憶しているが、結局は国債発行に頼る債務超過財政の延長であり将来にわたる国民負担増につながるものだけに慎重論も多い。
 国による教育の補助金行政の関与強化につながるということでもある。

 そもそも安倍政権、自民党は大学の独立法人化を進めて独立採算性を進めているのだから、大学の授業料無償化、補助金強化行政は国の教育行政の一貫性を欠く矛盾した教育政策ということになる。

 (4)大学の研究、教育の充実、活動、実績にあわせて国庫補助金を重点的に投資して、大学研究、教育の競争、競合を促進して経営自助努力、質的向上と大学の合従連衡、淘汰を進めようと国、政府は大学の独立法人化、独立採算性を進めた。

 そうしておいて、大学の自助努力、競争の環境整備をはかりながら国民受けする大学授業料無償化をしようというのは、大学の独立採算性に反する一貫性のない教育行政だ。

 (5)しかもその財源として教育国債の発行ということになれば国民投資(税負担)負担増につながり、実効性を欠くことになる。
 自民党的政策に民進党的政策をつけ足した結果の国民受けをねらった理論矛盾した政策だ。

 (6)大学進学学生の大多数を引き受ける私大と国立大の授業料の格差は大きく、国立大の独立法人化、独立採算性導入で各大学が自助努力、工夫で経営資金を捻出するのは、教育理念、原理のなかで教育の活性化、研究教育の質的向上には必要と考えるが、そのためには私大と国公立大の授業料の格差是正、負担公平性が必要だ。

 そのためには授業料無償化は方法論(methodology)であるが、一方の大学の経営自助努力による競争、質的向上原理、理念を損なうものであり、国の補助金行政に頼らない大学経営を目指す必要がある。

 (7)それが文科省の天下りの排除にもつながるものだ。給付型奨学金、自治体、企業奨学金の充実拡大が求められる。

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