goo blog サービス終了のお知らせ 

いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

腰砕けG20。 lower back breakage of group of twenty

2017-03-21 19:50:11 | 日記
 (1)世界の倫理観(a view of ethics)は、弱きを助け、強きをくじくというのが大筋と考えるが、そうは思わない人が世界最大の政治、軍事、貿易、経済を支配したとなると、どうも世界は居心地が悪い。

 米国はGDPで第2位の中国、第3位の日本と桁が違うダントツのGDP世界第1位の超経済大国であり、この国に誕生したトランプ大統領はこの超経済大国をさらに保護主義(protectionism)で自国利益優先の対外国排他的な経済政策、理念を主導する。

 (2)この米国に対して、これまでG20財務相・中央銀行総裁会議は「あらゆる形態の保護主義に対抗する」という主張を共同声明文書に入れていたが、今月18日に閉幕した同会議では米国の反対でこれが削除(報道)された。

 泣く子も黙る米トランプ大統領、政権の強権性だが、経済金融世界会議でも米国が異議を唱えればそれに従うしかないのが今日的世界基準(global standard)でもあることを世界に示した。

 (3)G20はG7に代わって中国、ロシア、南米など新興国の経済力台頭であたらしい国際秩序のリーディング・G(グループ)として影響力を強めていたとみられていただけに、あっさりと米国の異議で保護主義に対抗する文言が共同声明から削られたのには少々驚いた。

 中国もロシアも米トランプ政権とのあつれきを回避して関係改善を模索していることもあり、あえて波風を立てたくなかったのだろう。

 (4)寄らば大樹の陰という超経済大国を率いる米トランプ政権への遠慮、配慮だった。今年5月にイタリアで開催されるG7サミットではどんな様相がみられるのか、トランプ大統領の出方も注目される。

 先日のワシントンでの独メルケル首相との米独首脳会談では、冒頭の首脳同士の握手もメルケル首相が報道陣の要請に握手した方がいいですかとの問いかけにも、トランプ大統領が無視(報道)して軍事(NATO経費負担)、経済、貿易さらには移民、難民問題での双方の考え方の違い、隔たりが鮮明になっていることを内外に示すことになった。

 (5)トランプ大統領とは信頼関係を構築した、気が合うところを示したといわれる安倍首相がG7サミットを前に欧州諸国を歴訪中だが、帰国した独メルケル首相とはガッチリ握手(報道写真)をしてみせて、何かと米トランプ政権とのあつれきが垣間見える米欧関係改善の橋渡し役に意欲的といわれている。

 G20財務相等会議での米トランプ政権への遠慮、配慮だったが、元祖G7しかも米トランプ大統領自ら初出席のG7サミットではどう「結束」を演出できるのか、G20の腰砕け(lower back breakage of group of twenty)の後だけにG7サミットの出方に注目と関心が集まる。

 (6)よもや保護主義容認ということは考えられずに、人の往来の自由束縛も考えられずに、今月中(29日)の英国のEU離脱通告と合わせてG7の結束が示せれるのか、分断(separation)が際立てば世界政治、経済、貿易への影響もあらたな段階へと駆け上がるだろう。

 米国が弱気を助け、強きをくじく世界倫理基準に立ち返る、目覚めるしかない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自治体行政の無責任トライアングル。 triangle of irresponsibility of local administration

2017-03-20 19:45:40 | 日記
 (1)豊洲市場問題と森友学園問題は、東京都と大阪府という地方自治体を代表する二大都市の地方自治行政に対するあつれき、不信、私物化による知事のガバナンス(governance)が及ばない、行政統制が効いていない実態をあらためて突きつけられた問題だ。

 ともに関係当事の自治体の長は東京都青島、石原元知事、大阪府は橋下元知事という、作家、タレント(一部弁護士)としての名声を背景に独自の政治理念、手法で高い支持を集めて登場した政治家だ。

 (2)都民、府民からすれば既成政治、政治家にないあたらしい視点での政治改革に期待してのもので、現在米国のトランプ大統領誕生や欧州に台頭している極右勢力などの既成政治打破のポピュリズム(大衆迎合主義)の走りでもあった。

 知事の存在が際立っている陰で議会のチェック機能が有効に働かずに行政自体が知事の独断で方針が決められて、行政機関が意向を汲んであるいはガバナンス不在のまま勝手に自由に裁量して進めた結果としての豊洲市場の地下埋め立て盛り土不履行であり、豊洲市場建設完成後の環境基準を大きく上回る地下水有害物質の検出であり、また森友学園小学校認可、補助金申請の幾通りもの不自然な書類提出を見抜けない素通りの不祥事となって問題が相次いで発覚している。

 (3)選挙公報活動以外に自らの選挙運動をしない(青島元知事)、週3日の登庁で実務の取り仕切りを副知事にまかせる(石原元知事)、議会対策をせず意図的に対決して執行見込みのない自らの理念を断行して行き詰まる(橋下元知事)ことの政治責任はもとより都民、府民の期待に応えなかった元知事にあるが、これを甘受した強力な世論で方針転換できなかった都民、府民の不履行責任もある。

 元知事の独自性、自己満足を貫いただけで地方自治行政の空洞化(cavern phenomenon)が豊洲市場問題、森友学園問題として政治責任があいまいなまま決定過程など実態が不明確な東京都、大阪府二大都市の地方自治行政の空洞化現象があきらかになった地方自治行政の危機だ。

 (4)豊洲市場問題では都議会の百条委員会が連休日に開催されて、初日の当事の市場長証言では核心重要問題については当事の石原知事に報告したと言い、直接当事の交渉担当者の浜渦副知事は土壌汚染合意の核心問題について「(役人が)勝手なことをした」、「不届きな話」(報道)と責任転嫁、石原元知事の証言もやはり先制して出てきた3日の記者会見の枠を出ないもので、最高責任者としての決済責任は認めるが担当役人、専門家(審議委員会)の判断を尊重しただけと、これまた都庁、専門審議関係者に責任転嫁するものだった。地方自治行政の空洞化危機だ。

 (5)元と現都知事同士の非生産的なケンカ試合で都民の投資財産が食いつぶされていく。生産的な議論、決断が求められている。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

議員の任期延長。 extension of term of membership

2017-03-19 19:46:51 | 日記
 (1)安倍政権が憲法改正の糸口として大規模災害などが発生して衆院議員の任期が終了した場合にも総選挙もできない混乱状況の中で、国会議員の資格、身分をどうするのかの緊急事態条項の議論が衆院憲法審査会で始まった。

 政党は基本的に任期延長(extension of term of membership)論に前向きといわれるが、一部には半数改選の参院の緊急集会で対応できるとの意見もある。

 (2)国会の首班指名は衆院決議が優先されて、それにもとづく首相による内閣構成権限により国政を担うことになり、この衆院議員の任期終了により総選挙が実施できない混乱状況での参院の緊急集会で国政執行権を代行することは、国内的には理解できても国際社会では理解されるのか、政策の継続性、正当性、責任性、信頼性、理念として問題はある。

 (3)参院の役割は制度上衆院のチェック機能としての役割が大きく、政権政策を執行する権限を本来的に有しないものであり、緊急事態といえども衆院に代わって国政を執行する役割には制度上問題、疑念はある。

 大規模災害などが起きた時点での国会構成を相当期間継続する国会議員の任期延長論はやむを得ないだろう。
 こういう問題が災害国日本でこれまで論議されてこなかったのは、議員の資格、身分が国民の選択、意思に委ねられたものであり、それにもとづかない議員の資格、身分が同在することの不自然、また首相に特別権限が集中して権限独占状態が懸念されての不公正、不整合、不均衡がある。

 (4)何を緊急事態とするのかも時の政権、首相の判断に委ねられることになれば、首相の解散権行使の問題など複雑多岐な権力関係が背景にあり、問題整理、結論がむずかしい政治問題である。

 緊急事態の条件、認定方法、議員の任期延長の設定、権限、役割について、国民が理解できる明確に限定した理論づけが必要だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

社会思想と原発事故。 social sentiment and atomic generation accident

2017-03-18 19:31:42 | 日記
 (1)俳人の俵万智さんは東日本大震災当時は仙台市に居住して、福島第一原発事故を受けて子どもの健康影響被害を考えて(本人談)速やかに遠く石垣市へ居住地を変える決断をした。
 当時はまだ被災者の多くが安全な地域避難ができずに、この俵さんの決断には財力的にも著名人としての余裕、意識が特別にあらわれたとして賛否両論があった。

 母親が子どもの将来を考えて最善の選択をするのは当然のことなのに、ひとり突出するとそれがまた注目の著名人の話題となると普通とは違うと排他的になるのが社会集団思想の特徴だ。

 (2)原発事業は、国が当時の原発安全神話のもとに電力寡占体制の各地域ブロック電力会社に日本列島をぐるりと取り囲むように全国54基の原発建設を推進した電力安定化経済政策だ。

 東電の福島第一、第二原発は専門家諮問委員会などで東北地方の大地震それによる大津波の危険がデータ予想、指摘されながら、到来時期のスパンの長さに対する対策費用対効果論から国の原発安全神話のもとに安全対策が十分に取られないままに11年3月11日に前代未聞のM9.2の大地震に見舞われ、福島第一原発は大津波に襲われて機能が停止して原子炉格納容器のメルトダウンを引き起こし、廃炉決定で完了までに今後40年はかかるといわれる大惨事を招いた。

 (3)国の電力安定化経済政策による東電建設の福島第一原発が引き起こした原発事故で、その責任(responsibility)は政策推進の国と原発事業当事者の東電が負うべきものであったが、事故から6年以上すぎてもいまだに原発事故の核心部分の実態はつかめずに事故原因の究明もままならない事態の中で、賠償とは別に「責任」問題はなおざりにされてきた。

 (4)原発被害、避難者は全国にまだ数万人はいるといわれて、その中には原発事故被災地を離れて暮らすことを自ら負い目(報道)を背負って生活している人も多いといわれている。

 ようやく3年半の原発避難者訴訟闘争の末に昨日の前橋地裁が「東電は2002年以降に敷地を超える津波を予見できたのに、対応を怠った。国が津波対策を命令しなかったことも著しく合理性を欠く」(判決要旨報道)として「国家賠償法上、違法だ。国が賠償すべき慰謝料額は東電と同額だ」(判決要旨)と国の賠償責任を認め、あわせて東電の原発事故回避不履行(過失)責任を認めたものだ。
 
 (5)福島第一原発事故原因が究明されない中で、なおざりにされてきた同原発事故責任について原発避難者訴訟でようやくに司法が国と東電の「責任」を認めた当然の帰結の判決だった。

 報道によると「大半の(避難者)原告が周囲に知られないように名前を伏せ、息をひそめるようにして闘ってきた」〔()内は本ブログ注〕裁判であり、考えさせられる裁判であり、今日的社会思想(sentiment of brand-new-day society)であった。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

防衛省の組織崩壊。 formative collapse of the ministry of the defense

2017-03-17 19:54:09 | 日記
 (1)安倍政権はそれまで自衛隊組織の文民統制主義として背広組の権限が上位であったものを自衛隊法を改正して制服組の権限を同等に押し上げて、防衛相の軍事政策に対する助言比率を各段に高めた。

 その後、安保法制制定による米軍など同盟国との集団的自衛権行使を前提としての「国防軍」化を有利に進めるためのものだ。

 (2)自衛隊内の背広組と制服組の立場が逆転したともいわれて、文民統制が十分機能しない懸念が残った。今回、南スーダンPKO自衛隊員の昨年の日報の「戦闘」記録では、当初破棄されたといわれたものが実は陸自に電子データとして残っていたことが判明し、こともあろうことか防衛省幹部が今さら公表すれば虚偽報告として混乱する(公表できない)と独自の判断で見送っていた(報道)経緯があきらかになった。

 まさしく懸念されていた防衛省内の背広組と制服組の力関係が制服組優位(priority)に切り替えられた悪影響が出たということだ。

 (3)輪をかけたように防衛省の判断に右往左往するように発言が変わり、答弁修正、陳謝をくり返す稲田防衛相の「後ろ」には指揮一体となるべき防衛省、自衛隊の姿は実感として見られない。

 国会答弁席の稲田防衛相は孤立感が漂い、完全に「後ろ」と「分断」(separation)されているのが見えるだけだ。

 (4)陸自日報問題で前述の事実関係が発覚しての当のトップ陸上幕僚長の記者会見は、稲田防衛相が指示した特別防衛監察による調査協力を理由に「コメントを控える」と「逃げていると捉えられても仕方ないかもしれない」と隠ぺい疑惑など核心部分について説明を拒んだ。

 稲田防衛相が指示した特別防衛監察なるものはそもそも防衛省内の監察組織であり、どこまで真実、責任関係があきらかにされるのかは疑問だ。

 (5)防衛省、自衛隊組織が制服組が背広組を上回る権限、立場に変化していることを示すもので、文民統制が効いていないことの不条理(unreasonableness)、不安が色濃く影を落としているものだ。

 もはや防衛省、自衛隊は組織的に制服組のバイアス(bias)が強くかかった力関係であり、正常に安全に機能しない組織体(formative collapse of the ministry of the defense)だ。

 (6)日本の国防、国民の安全、生活、権利を守り、さらに近隣諸国、国際社会との平和協調関係を前提とする防衛組織ではなくて稲田防衛相のコントロールが効かない危険体であり、稲田防衛相、任命権者の安倍首相の責任は極めて重大だ。

 日本の憲法理念に立脚した防衛理念、国防、防衛省、自衛隊組織の立て直しが急務だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする