いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

安倍政権のボディ・ブロー。 body brow against abe political power

2017-03-08 19:35:37 | 日記
 (1)自民党が党大会で総裁任期を連続3期9年とする方針を正式に決定した。かって自民党長期政権を担った佐藤栄作総裁(首相)時代にやはり党内実力を背景に1期2年を1期3年に延長したが、その後それが若手の台頭、新陳代謝を拒むとして総裁任期を元の1期2年に戻した経緯がある。

 それからしても今回の自民党の総裁任期の大幅な延長は、自民党の将来を見越した長期展望、ビジョンからも後退した現状容認の力のバランスに頼るだけの甘えの構造的発想だった。

 (2)自民党の総裁任期は極めて党内問題だから自民党が勝手に考えればいいことだが、自民党1強時代であまり外に関心もなく自民党内の力学だけで事を進めようとすれば、そのうち外部からの反発も強まるというものだ。

 その外部のうちに国民が入るのかはわからないが、なぜなら本来ならかっての長期自民党政権時代の好き勝手、やりたい放題の既得権益政治から密室政治、金権腐敗政治へと堕落してついには09年の民主党政権への本格的政権交代につなげた国民の意思、判断、目があると言いたいところだが、昨今の小市民的国民意識(the petite bourgeoisie)の変化(不思議な安倍内閣の比較高い支持率)では必ずしもそうとは言えずに、外部からの反発に国民の力が入るのかは今日的政治、社会ではわからないというところだ。

 (3)その分岐点(turning point)となったのが圧倒的な国民支持、期待で成立させた09年民主党政権への極端な同政権の自己否定、崩壊による国民の期待外れ、失望があるという皮肉な結果だ。

 今日的政治状況は国民の過半数が安倍政権の重要政策課題に対してはことごとく反対(世論調査)としながらも、経済政策優先による株価回復、大企業中心の業績回復に賃上げで安倍内閣の支持率が50%を超えて比較高く安定しているというパラドックス政治(paradoxical politics)だ。

 (4)この不思議な安倍内閣の支持率の比較高い安定が、冒頭の自民党総裁任期の大幅延長につながっている。今回の森友学園疑惑問題でも安倍首相の生徒募集名義貸し、同夫人名誉校長の影響関与が追及されて印象は悪いが、相手の森友学園がさらに輪をかけたように教育機関にあるまじき「悪役」を演じているので安倍首相にとっては比較得な立ち回りで、今のところ関与は認められずに深手にはなっていない。

 (5)順調にいけば安倍首相にとって21年9月までの史上最長の長期政権となる手はずであるが、その頼みの経済事情はTPP頓挫、日銀金融対策の行き詰まり、賃上げ効果の不発に19年10月の消費税10%引き上げ(再び対象、対象外のわずらわしい選別対応が待つ)と暗い霧が立ちはだかり、安倍政権にボディ・ブロー(body brow against abe political power)が効いてくることも十分考えられる。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする