いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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戦闘と自衛隊撤収。 hostilities and withdrawal of the self defense forces

2017-03-13 19:34:47 | 日記
 (1)政府は南スーダンPKO自衛隊の派遣を5月末をめどにやめることを決定した。昨年末に駆け付け警護に宿営地防御のあらたな任務を追加して、交代部隊を派遣して国際貢献を強調してのこれからという今年5月末の唐突な派遣自衛隊の撤収(withdrawal)には政策の善し悪しは別にして違和感は当然にある。

 安倍首相が唱える積極的平和外交の主義にもそぐわないもので、まして一定の任務を完了したからという唐突な政府の説明もこれだけの国際貢献事業がもっと計画的に準備されて用意周到性が見られなければ、とても整合性を持たない。

 (2)南スーダンPKO自衛隊派遣では、駆け付け警護に宿営地防御のあらたな任務追加で、現地での紛争、戦闘(hostilities)に巻き込まれる危険性が増大して、平和が維持されていることが派遣条件のPKO自衛隊活動(インフラ整備部隊任務)に不安と危険が懸念されていた。

 安倍首相は派遣自衛隊のあたらしい危険任務への責任として、南スーダンPKO自衛隊に紛争、戦闘で死亡者が出た場合は首相を辞任すると明言して、任務の安全性を強調してみせた。

 (3)ところが昨年の現地自衛隊員の日報に「戦闘」という報告が記載されていたことがあきらかになって国会で取り上げられて(その間、稲田防衛相への同報告が1カ月も遅れ隠ぺい、文民統制欠如の疑いも指摘され)、稲田防衛相がこれを憲法、法律で定められた国と国との戦争、戦闘状態ではないと本来自衛隊員の生命危険性が現実問題となっている事態に対して都合のいい解釈論でごまかそうとしてさらに批判を浴びた。

 政府としては現地自衛隊員の日報に他にも「戦闘」の記載が見受けられて看過できない危険事態を無視できなくなってきていた。

 (4)このまま南スーダン派遣自衛隊員の危険切迫を見過ごして仮に現地隊員に被害者が出ることになれば、直接自らの責任発言により安倍首相の辞任問題に発展することが考えられることもあり、政府は自衛隊撤収を決断したと考える。

 それはそれで南スーダンPKO自衛隊派遣の平和維持条件が損なわれて崩れているとすれば当然の撤退対応、措置であり問題はないはずが、政府は日報に記載された「戦闘」を認めずに唐突に任務の一定の完了として撤収を決めた。

 (5)現地の平和が維持されていないことを隠して認めずに任務の完了を撤収理由にすれば、それはそれで安倍首相の唱える積極的平和外交主義に反するものであり、政策矛盾を示すことになる。

 しかし隊員日報の「戦闘」報告を正しく把握、理解して派遣条件がすでに崩れているのであれば、素直に認めて撤収することがなによりの正論であり必要なことだ。

 (6)安倍首相の憲法理念を無視した国際貢献偏重が矛盾を露呈するのは必然のことであり、自衛隊員の生命危険を覆い隠すことなど出来るはずもないことだった。
 

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