いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

議員の任期延長。 extension of term of membership

2017-03-19 19:46:51 | 日記
 (1)安倍政権が憲法改正の糸口として大規模災害などが発生して衆院議員の任期が終了した場合にも総選挙もできない混乱状況の中で、国会議員の資格、身分をどうするのかの緊急事態条項の議論が衆院憲法審査会で始まった。

 政党は基本的に任期延長(extension of term of membership)論に前向きといわれるが、一部には半数改選の参院の緊急集会で対応できるとの意見もある。

 (2)国会の首班指名は衆院決議が優先されて、それにもとづく首相による内閣構成権限により国政を担うことになり、この衆院議員の任期終了により総選挙が実施できない混乱状況での参院の緊急集会で国政執行権を代行することは、国内的には理解できても国際社会では理解されるのか、政策の継続性、正当性、責任性、信頼性、理念として問題はある。

 (3)参院の役割は制度上衆院のチェック機能としての役割が大きく、政権政策を執行する権限を本来的に有しないものであり、緊急事態といえども衆院に代わって国政を執行する役割には制度上問題、疑念はある。

 大規模災害などが起きた時点での国会構成を相当期間継続する国会議員の任期延長論はやむを得ないだろう。
 こういう問題が災害国日本でこれまで論議されてこなかったのは、議員の資格、身分が国民の選択、意思に委ねられたものであり、それにもとづかない議員の資格、身分が同在することの不自然、また首相に特別権限が集中して権限独占状態が懸念されての不公正、不整合、不均衡がある。

 (4)何を緊急事態とするのかも時の政権、首相の判断に委ねられることになれば、首相の解散権行使の問題など複雑多岐な権力関係が背景にあり、問題整理、結論がむずかしい政治問題である。

 緊急事態の条件、認定方法、議員の任期延長の設定、権限、役割について、国民が理解できる明確に限定した理論づけが必要だ。

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