今回は多忙につき、タイトーが1976年に頒布したビデオゲーム(当時はTVゲームと称していた)の総合カタログをご紹介してお茶を濁します。
1976年に頒布された「タイトロニクスシリーズ」総合カタログの表紙。ビデオゲームが世に出て間もない時期らしいゲーム画面。
タイトーは、セガと並んで日本で最も早い段階からビデオゲームの開発に着手し、大手メーカーとしての地位を盤石のものとしました。タイトーは自社のビデオゲームを「タイトロニクスシリーズ」と名付け、この呼称は少なくとも1980年代前半までは使い続けていました。
フライヤーは全6ページで、2ページ目から5ページ目までは製品の筐体画像が並んでいます。
2ページ目:
●CRUSHING RACE (1976)
●INTER CEPTOR (1976)
●ELEPON (1973)
●PRO HOCKEY (1973)
●SOCCER (1973)
3ページ目:
●AVENGER (1976)
●WESTERN GUN (1975)
●BASKET BALL (1974)
●SOCCER DX (1973)
●ASTRO RACE (1973)
●ASTRO RACE DX (1973)
4ページ目:
●DAVIS CUP (1973)
●ATACK U.F.O. (不明)
●SEA WOLF (MIDWAY製・1976)
●ANTI AIR CRAFT (ATARI製・1975)
5ページ目
●SPEED RACE TWIN (1976)
●SPEED RACE (1975)
●SPEED RACE DX (1975?)
旧型機も併せて掲載されていますが、まだテーブル筐体もコックピット筐体も無かった時代だったので、すべてアップライト筐体です。私はこの中で、「ATACK U.F.O.」だけが記憶にありません。どなたかどんなゲームだったかご存じの方はいらっしゃいませんでしょうか。
タイトーはこのフライヤーの最後のページで、「アメリカのアポロ計画により高度に発達したエレクトロニクス(電子工学)技術の産物、IC(集積回路)の応用と、デジタル技術により、テレビブラウン管を使用した、全く新しい発想のゲームマシンです」と謳っています。
裏表紙。「アメリカのアポロ計画により高度に発達したエレクトロニクス~」とハッタリをかまして、タイトーの技術力を誇示しようとしている。
コンピューター技術の発達にアメリカの宇宙開発計画が大きく関わっていることは事実でしょうが、まるでタイトー自身も同様の技術があるように誤認させるブラフですが、まあ、宣伝とはそういうものでしょう。それも、「コンピューター」とか「IC」、「エレクトロニクス」という言葉がまだパワーワード、もしくはマジックワードだった時代(関連記事:TRON(Bally/MIDWAY, 1982))ならではのネーミングだと思います。
マイコン制御以前にランダムロジックでTVゲーム回路を設計する先人諸兄には脱帽です。
下記webサイトによれば、Attack U.F.O.は
タイトーがElectra Gamesにライセンス供与して、同社がUFO Chaseというタイトルで販売したとのことです
https://www.arcade-history.com/?n=ufo-chase&page=detail&id=4791
↑もしくは↓でフライヤーがDL可能です
https://gamesdb.launchbox-app.com/games/details/106206-ufo-chase
同機の取説(PDF)もダウンロードできます
https://www.arcade-museum.com/game_detail.php?game_id=10251
また、元タイトー(パシフィック工業)の西角友宏さんのインタビュー↓p32によれば、「アタックUFO」は当時の部下だった池田さんと木下さんに「作らせた」とのことです
http://pubs.iir.hit-u.ac.jp/admin/ja/pdfs/show/2098
よく考えれば、1975年のタイトーは「スピードレース」や「ウェスタンガン」などオリジナリティのあるゲームを作っていたのであり得ることでしたね。
またお気づきのことがありましたらいろいろ教えてください。