オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

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1960年代のTAITO(2):1968-1969【情報求む】

2021年11月14日 18時02分10秒 | メーカー・関連企業

前回の記事(1960年代のTAITO(1):1965-1967【情報求む】)には、当該記事のコメント欄のみならず、SNSからもいくつもの貴重な情報をいただきました。本当にどうもありがとうございました。当初の計画では、この「60年代のタイトーの記録」シリーズは今回で終了するはずでしたが、予定を延長し、次回以降ではいただいた情報をご紹介したい思います。

とりあえず今回は、前回の続きで1968年~69年のリストですが、この中にもよくわからないタイトルがございますので、引き続き何かご存知のことがございましたらご教示いただければありがたく存じます。

◆1968年(昭和43年)
・スーパーソニックボンバー
タイトルから、爆撃機テーマのゲームであることは見当がつきますが、筐体の画像はありません。TAITOが1990年に発売した「スーパーソニックブラストマン(「スーパーマン」の権利を侵害しているといちゃもんが付き、のちに「ソニックブラストマン」に改名)」がこのタイトルを意識していたのかどうかはわかりません。

・ダブルスキル
・タッチアンドゴー
・クレージーボール
これら3機種は全く見当がつきません。なんとなく、アップライト筐体またはウォールマシンタイプの小型プライズ機に付けられそうなタイトルのように思えないこともないですがあくまでも想像(妄想の方が近いか)です。

◆1969年(昭和44年)
・インテリジェンスコンピューター
一般市民にとって「コンピューター」とは「よくわからないが、最先端科学技術を結集した、とにかくスゴイもの」だった時代(関連記事:TRON(Bally/MIDWAY, 1982)」ならではのコインマシンですが、これで何ができたのかは不明です。筐体画像は70年前後のTAITOの総合カタログ画像の中に見ることができます。それによると、筐体にモニター様のものが見えますが、この時代にCRTを載せた筐体があったとも思えず、おそらくはリアプロジェクターで何かを表示していたのではないかと想像しています。

1970年頃のTAITOの総合カタログに記載されていた、「インテリジェンスコンピューター」の筐体。四つ足のデザインが時代を感じさせる。

参考として、翌1970年、ナムコ(当時は中村製作所)は「ミニコンピューター」という娯楽機を発売しています。こちらはいくつかの質問に答えるとふさわしい職業が画面に表示されるというものでした。「ミニコンピューター」は、マジックミラーで鏡となっている筐体のスクリーンに、バックライトを当てることによってスライドを投影するという機構で、正しい意味でのコンピューターが使われているというわけでは(当然のことながら)ありませんでした。

参考画像:中村製作所の「ミニコンピューター」のフライヤー。筐体は、インテリジェンスコンピューターよりもずっとファンキーでポップなデザインになっている。

・ゴールデンアーム
ターンテーブル上を回る景品をスイングするアームで落とすプライズ機です。ゴールデンアームには立派なフライヤーが残っています。

ゴールデンアームのフライヤー。69年時点で現代と遜色ないフライヤーが作られていたことに、若干の驚きを感じる。

参考として、70年代の半ばには「ジャガー」と言うメーカー(よくわからないのですが、当時のディストリビューターであった「ツムラ」の関連企業?)が、ゴールデンアームと同コンセプトの「SUPER SCOPE」を売り出してヒットし、ほどなくしてそのデラックス版と銘打った「クリーン・スイープ」も出しました。これらの機械についてはその後、ツムラ他利害関係者の間でなにやら深刻なもめ事があったという話を業界誌で読んだ覚えがあるのですが、資料が見つかりません。また、90年代には大平技研と言うメーカーが「ジャンボヘキサ」「ゴールデンヘキサ」など6人用の大型機に仕立て上げており、これらもヒットしていました。


参考画像:ゴールデンヘキサのフライヤー。

・ファンタジー
これも、上記「インテリジェンスコンピューター」が記載されていた総合カタログに記載されています。

ファンタジーの筐体。

コントロールパネルには、昭和時代によくあった水道の蛇口のようなものが付いていますが、ゲームの内容は想像がつきません。ただ、筐体前面の最下段には景品取り出し口と思しきものが見えるので、プライズ機だと思われます。

ところで、今回掲載している画像のうち、「ゴールデンヘキサ」を除くすべてのソースは、拙ブログをご高覧くださっているある方から以前にいただいていたものです。その方からは、前回の記事についての補完情報もSNSを通じていただいており、次回以降に活用させていただく了解も得ております。本当にありがとうございます。

次回「1960年代のTAITOの追加情報」につづく。