オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

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JAEPOショウ2018で気になったこと3つ

2018年02月11日 23時07分09秒 | メーカー・関連企業
日本のアーケードゲーム業界の見本市である「JAEPOショウ」に行ってきました。業務用ゲーム市場の縮小が続くと言われている中、今年はなんとなく人出が多かったように思われました。それ自体は喜ばしいことです。今回は、このショウで気になった点3つをメモしておこうと思います。

【気になったこと1】
今年は、バンダイナムコが、「バンダイナムコゲームス」とは別に、「バンダイナムコテクニカ」という会社で別ブースを立て、海外のAM機を多数出展していました。そのうちのいくつかは「リデンプションゲーム」と呼ばれるものでした。

リデンプションゲームとは、ゲームの結果によってチケットを払い出し、そのチケットを集めると景品と交換できるというもので、海外では主に子供向けのゲームとしてポピュラーなジャンルです。

しかし、景品を提供するゲームであることから、現在の日本では法律上許可されません。それでも、市場の縮小に何らかの手を打ちたい業界としては、ずいぶん以前から何とか営業できるよう当局に働きかけるなどしているようです。中でも、バンダイナムコゲームスは、何年か前からリデンプションマシンを「参考出展」という形でJAEPOショウに出展しており、いつ解禁されても良いように備えているように見受けられます。

今のところは、まだ解禁されるという噂すら流れてはいませんが、ただ、ひょっとすると、それほど遠くない将来に、日本でもリデンプションゲームが解禁される日が来ることもあるかもしれません。カーニバルゲームのような楽しさがあるリデンプションゲームは、ゲームオタク向けに先鋭化してしまったビデオゲームに疲れた一般の大人たちでも、結構楽しめるのではないかと思います。

【気になったこと2】
「加賀アミューズメント」という会社から、「TABLE PONG」というゲーム機が出展されていました。ビデオゲーム「PONG」をエレメカゲームにしたこの「TABLE PONG」の開発は、アメリカの企業によるものです。昨年の春ころには既に発表されていたことは聞いていましたが、ワタシが実物を見るのはこれが初めてです。遊んでみると、操作感に若干の違和感を覚えることもないこともないですが、概ねいい感じではあります


TABLE PONGの筐体。パドルとボールは発泡スチロールを切り取っただけのものに見える。


ちなみにこちらが元祖「PONG」の筐体。「TABLE PONG」の元ネタとして、加賀アミューズメントのブース内に展示されていた。まだ動く状態のものが残っていることもちょっと驚く。

「それはポンから始まった」という本がある(ご購入はこちらからどうぞ)くらい、「PONG」はビデオゲームの元祖と言って良い機械です。「PONG」が世に出たころは、ビデオゲームは最先端のテクノロジーを駆使したクールなマシンでした(関連記事:それはポンから始まったのだけれども(1))が、もし、この「TABLE PONG」が、モニターを水平に置いただけの昔ながらの「PONG」の再現だったら、だれも見向きもしなかったでしょう。しかし、今は全く逆になってしまったようです。ワタシもこれなら家に一台欲しいかもしれないと思いました。

【気になったこと3】
ゲームセンターのオペレーターであるアドアーズ社が、自社でもスロットマシンを作り始めたようです。その源流をsigma社に持つアドアーズでしたが、sigmaの開発部門はアルゼ他に散っていき、アドアーズは長らくオペレーターに専念していました。しかし、昨今のメダル単価の低下に伴い、シングルメダル機を開発するメーカーがいなくなってしまったためやむなく・・・ というのはワタシの妄想ですが、低メダル単価時代を視野に入れて、1ゲームにベットできるクレジットを数百に上げた設定もできる機種とのことです。今回は、「スタンバイ株式会社」という商社から出展していました。

 
アドアーズが始めたシングルメダル機のフライヤー。「リプレイ機能で携帯に撮影しSNSにUpすることも」と言っている。なるほど。

スタンバイ社のブースには、sigmaの流れをくむCRON社の新製品もいくつか出展されていました。経営危機がささやかれていたCRON社ですが、頑張ってほしいものです。