大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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【誰が都市計画を決めるのか】東京都の都市計画マスタープラン原案への意見(於)東京都公述会

2014年06月29日 | ├.まちづくり・都市計画

民主主義システムの外で決まることが多くなっている、ように感じる。


議会は予算を否決できるのだから、最後、くつがえすことが出来ると言えばそうだが、地方自治体の場合には、予算の編成権は首長にあるので、予算を否決し、予算編成をやり直すのは簡単ではない。

予算は、方針や計画に基づいて作られるから、計画が出来てしまえば、予算がついたも同然になる構図。


だからこそ、計画などの決定過程での住民合意をどうつくるかということが重要になる。

これまで、こうした計画の中で「基本構想」の議決が義務付けられていたが、平成23年の地方自治法改正により、義務付けからはずれ、各自治体が条例により議決すべき計画を決めることになった。
http://www.nactva.gr.jp/asp/topics/show_topics.asp?tid=865


議決事項を議会が定めることが出来るようになったのは、良い方向に進む場合もあるが逆になることもある。

ちなみに、東京都も大田区も都市計画マスタープランは議決事項になっていない。

そうした視点で、東京都の都市計画マスタープラン原案について、東京都公述会において、下記のような意見を申し述べた。

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「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都市計画区域マスタープラン)」及び「防災街区整備方針」につきまして、意見を申し述べさせていただきます。

6月24日に開催されました公聴会を傍聴させていただきました。7人が意見を述べましたが、そのうちの6人までが、経済のためのまちづくりではなく、東京都に暮らす都民のためのまちづくりをしてほしいという意見だったと理解しております。

これらは規制緩和に伴う建築基準法等改正の問題でもありますが、今日は、平成12年および16年に法改正され策定が義務付けられた都道府県の都市マス等と区市町村との関係から特に都区制度を念頭に意見を申し述べさせていただきたいと思います。

 東京都は、都市計画区域マスタープラン(都市マス)は、「長期的視点にたった都市の将来像を明確にし、その実現にむけての大きな道筋を明らかにするもの」と言っています。しかし、一般的に区市町村の都市マスが抽象的で「絵に描いた餅」と言われているのに比べ、大きな道筋と言いながら、東京都の都市マスは個別具体的です。
 実際、今回の、改正都市マス原案は全88ページ。そのうち、東京都が目指す将来像に割かれているのは図を含めても12ページに過ぎず、区域区分の有無及び区域区分を定める際の方針に至っては、わずか1ページです。しかも、改定案には改定前に示されていた産業規模の変化さえ明らかにされていません。
 一方、前回、35ページを割いて書かれていた主要な「都市計画の決定の方針」ですが、改定案では65ページと倍近い分量になりました。市街地再開発事業、土地区画整理事業、都市基盤整備、耐震改修、オリンピック、リニア中央新幹線、道路整備、連続立体交差事業、エレベータ整備、バリアフリー化、ユニバーサルデザイン、サイン事業、コミュニティバスの運行、LRTやBRT、バスレーン、下水道貯留施設、下水の高度処理、高潮防御施設や内部河川の整備、堤防や水門などの耐震・耐水対策、スーパー堤防、清掃工場や不燃ごみ処理施設などの施設整備、スーパーエコタウン事業など、数え上げればきりがありません。ありとあらゆる財政負担を伴う事業が方針に描かれ地図に落とされ、実施計画かと思うほど具体的です。

 都市マスの目標年次は2025年。今も、東京都は人口を増やし続けていますが、自然増減では昨年に引き続き3年連続マイナスで、人口増は、転入者と外国人に支えられているのが現状です。「東京の都市づくりビジョン」に東京都の人口が来年2015年にピークを迎えるとあるとおり、今回の都市マスは人口ピークを過ぎたあとの東京をどう作っていくかという計画でもあります。ところが、改定都市マスは、人口350万人を抱える東京圏、あるいは、外国人を東京都心部にさらに呼び込み機能を集中させるための計画です。

 税負担を伴う再開発始めインフラ整備は目白押しですが、転入者の増ですから都の住民税は増えますが国全体でみれば税収は基本的には変わりません。経済効果で法人関係税が増えたとしても、法人住民税が今年から国税化されましたから、効果は半減。アベノミクス第三の矢の目玉国家戦略特区始めとした特区による経済効果も当初5年は、期待する法人事業税、固定資産税も100%減免で、見える効果は投資家へのキャピタルゲインという状況です。労働人口が減少するなか、どのように税収が増えるのかの道筋は国も東京都も示していません。今回、東京都が策定しようとしている改定都市マスは、単なるまちづくりの指針では無く、財政負担を伴う手形と見る必要があり、財政フレームを示すべきです。

  都道府県の都市マス策定を義務付けた国交省に、都市マスの位置づけに加え再開発、区画整理事業など財政負担を伴う事業が目白押しだが、発意はどこにあるか確認したところ、「原案策定は利害関係者と行う」ということでした。利害関係者とは、たとえば、再開発の事業者や地権者を意味するそうです。
 再開発により利益を得ることの出来る事業者や地権者など利害関係者が、事業化のお墨付きである都市マスの原案策定に関り、税負担はその外側にいる都民になっている構図が見えてきます。

 さらに、国交省に、税を負担する住民の意見つまり民意はどこにあるのかたずねたところ、パブリックコメントやこの公聴会という答えでした。このあと、付議される都市計画審議会での議論も手続き上の住民合意の場と言うことになるのでしょう。
 だいたい、再開発したら税負担が増えると分かっていない国民がほとんどだと思うとお話ししたら、知っているのが当然でしょと言われました。その通りですが、事業者が行う再開発により税負担が増えると実感している都民がどれくらいいるでしょうか。

 莫大な税負担を伴うにもかかわらず財政フレーム無しの都市マス案を出す東京都にこそ問題があり、説明責任を果たすべきではないでしょうか。

 人口が減り高齢化するから、道路など都市基盤はユニバーサルデザインの視点で整備し、リニア中央新幹線など交通も、より利便性を向上させ、誰もが徒歩圏で公共交通を使え、オリンピックは盛大に行い、再開発もたくさんするけれど、老朽化した共同住宅の建て替えも進めて、空き家は有効活用すると言っているわけですが、都市マスであれもこれもと盛り込まれたインフラ整備を行えば、財政負担は増しますが、構図からみてそれを支えるのは、都民が働き消費することで支払う税金です。今後、国家戦略特区のしくみを使った都市計画がここに加われば、特区は事業者の提案によりすすみますからまちづくりと都民の生活はさらにかい離し税負担はますます増えます。仮に、TPPに批准すれば、一旦行った規制緩和は戻せないラチェット条項に抵触する可能性もあり、そうなれば、法人関係減税を元に戻すことはほぼ不可能になります。

 さらなる都心部一極集中で人口が増えて税収が増えて公共サービスに還元される見通しはあるのでしょうか。一極集中は、一部の投資家にとって効率の良い利益獲得の手段に過ぎません。投資家は投資による利益を回収すればそれでおしまいですが、都民にとって東京は、子どもも孫もまたその子どもも暮らす生活のまちです。目先の「2020年の東京」では無く、100年後の東京を見据えるべきです。人口減少期に入る東京都の防災も、集中を良しとする容積率等による誘導から発想を変える時期にきているのではないでしょうか。

 新国立競技場のあまりに大規模な計画が問題になっています。都市計画決定は、手続き上、適法であったとしても、規模に対し十分な合意形成だったのかという指摘が都市計画の専門家からはでています。今回の都市マスは、策定過程において十分な合意形成がとられているのかという問題でもあります。東京都が一連の手続きを都民の合意の元に行うとするなら、この公聴会の意見を真摯に受け止め、責任をもって財政フレームを示したうえで都民の生活が経済を支えているという原点にたった都民との合意形成に基づいた都市マスに策定し直すことを求めます。

 都市マスで都は再開発等には積極的に取り組む一方、建物の壁面や高さなど街並みの整った良好な住環境は、地区計画をにゆだねる形になっています。保留床を生み出し、建築費をねん出する再開発事業とセットの地区計画と異なり、環境保全型、住民発意の地区計画は直接の利益や効果が見えにくく、多数の地権者の合意形成を必要とするため、合意形成以前に地権者の特定も非常に難しく、なかなか進まないのが現状です。しかも、たとえば大田区山王では、区から補助金を受けているまちづくり協議会が長年かけて地区計画案を作成し区に提出しても、放置されその先が進まない不作為ではないかと思われる状況もおきています。

 広域自治体としての東京都のまちづくりは利害関係者の発意からスタートしますが、それでは23区のまちづくりは誰の発意によって進むかと言えば、行政の関与は十分でなく、結果として利益優先の民間の事業者の思い思いの開発によりすすむことになります。

 例えば大田区は、高級住宅地と言われる地域や町工場、商業地、空港、港湾など、さまざまな機能がおきこまれている玉手箱のような地域です。ところが、東京都は、この大田区も「環境再生ゾーン」とひとくくりにしています。広域自治体としての方向性を示し細かい都市計画は各区でというのが東京都の考え方かも知れませんが、本来区市町村の財源である23区の都市計画税、平成26年度予算で2213億円は、東京都が全額徴税するため23区は使えません。モノづくり等の空洞化、高齢化、商店街の衰退など、変化している地域の実情に即した、用途地域の見直しやまちづくりの規制。誘導なども必要ですが、用途地域の決定権さえ都は手放さず23区には与えられていません。

  こんなに広くて900万人も住む23区のまちづくりは、かたちとしては東京都が俯瞰的にみて広域行政を担うことになっています。広域行政と言うと聞こえはいいですが、都市マスからは、東京都は再開発などしか行わずその責務を住民と事業者に丸投げしている実態が見えてきます。担わないのであれば、権限と財源を23区側に渡すべきです。

  東京都は6月18日に「都市再開発の方針」などを作成し、8月に公聴会を行うと公表しました。まだ改定マスタープランについて都民の意見を聞いている段階ですが、都市再開発の方針などはもう出来上がっているというのです。都市計画法の改正で再開発が都市マスから分離したことにより、住民との合意形成が基本のまちづくりにおいて「発意」を曖昧にして合意形成も十分でないままに既成事実化されています。

 再開発は、地域の住環境や地域コミュニティーに大きく影響するのみならず莫大な税負担を伴いますが、いまや全くの住民不在で始まっています。東京都の主体的な役割が見えてこないなか、民間活力によるまちづくりが都市マスにうたわれれば、都市計画は民間事業者の利益確保の場でしかなく、都民、特に23区民の住環境がさらに悪化するのは明白です。

 介護保険改正で要支援がなくなるので、地域で支えあいのしくみを作ってくださいと厚生労働省は言っていますが、再開発と事業者まかせのマンション建設や小規模宅地開発で、高齢者を支えるまちづくりは出来るでしょうか。 都民のくらしのための都市マスになるよう再考を求めます。

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