大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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大田清掃工場は再稼働すべきか

2019年07月17日 | ├.環境・エネルギー・廃棄物・アスベスト

大田清掃工場を再稼働する動きがあります。

大田清掃工場は、臨海部の京浜島、羽田空港の近くにあることから、他の清掃工場に比べ煙突が低く、ダイオキシンや重金属類の含まれた排気ガスが、他の工場に比べ、近くに舞い落ちるといわれています。

しかも、京浜島は、今もコンテナの搬出入などが多く、車両の排気ガスも問題になっています。

都市のくらしと「ごみ」は切り離せない問題で、衛生的な暮らしを守るためには適正なごみ処理が必要ですが、安易な再稼働は区民生活にも影響を及ぼすため慎重な判断が必要です。


ところが、
大田工場の再稼働が本当に必要か、いくつかの疑問点があります。


一つが、焼却余力の問題です。
大田工場建て替えの際、清掃工場を管理運営している「東京23区清掃一部事務組合(一組)」は、焼却余力を7%と見込んでいると説明しています。
ところが、今回の再稼働に際し、一組は12%という数字を出してきたのです。

当然、焼却余力が大きくなればなるほど、焼却できるごみ量は少なくなりますので、大田工場の再稼働が必要になります。

なぜ、7%を12%に引き上げているのか、一組は、区民への説明をすべきです。
しかも、日量の焼却余力を出していますが、年間稼働日数によって償却余力は、増えたり減ったりします。
稼働日数も示してないデータでは判断できません。







もう一つが、中央工場の稼働停止です。オリンピックの期間中、選手村が近いので交通渋滞を避けるため、中央工場を操業を止めるというのですが、2020年4月から6か月も止めると言います。
ちょうど他の2工場の外壁工事も重なって、大田工場の再稼働が必要だというのです。


中央工場を加え、3つの臨時的な清掃工場の稼働停止が大田工場の再稼働につながっています。あえて、この時期に長期間操業を止めなくても対応できるのではないでしょうか。

そのうえ、年間の稼働日数も示されていません。
当然稼働日数が減れば、焼却能力は落ちますので、稼働しなければならない清掃工場が増えます。

最後に、気になるのが、
将来ごみ量推計は、本当に上方修正すべきか、上方修正したら大田工場は再稼働しなければならないか、
ということです。


確かに、平成28年から29年に、275万トンから277万トンと2万トン増えています。しかし、これは、割合にして0.7%。で、誤差の範囲とも言えます。

以下の図のピンクの円で囲んだ部分。






しかも、直近のごみ量実績は277万トンですが、平成12年には350万トンで激減しているのです。

大田工場が休止した10年前の平成20年でも301万トンで、このときから、清掃工場の全体数は、変わっていません。

なぜ、中央工場をオリンピックを理由に6か月も休止するのか、同時に2つの清掃工場を休止させるのか、年間稼働日数はどれくらいなのか、など、不明な点を明らかにさせながら、大田工場の再稼働が本当に必要か精査をしていきたいと思います。

以下は、最新の委員会資料です。







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