「しんぐるま の利用料は高かったのでしょうか、安かったのでしょうか。
1915年(大正3年)における、杵や臼の利用に関する料金表があります。それによりますと、米の精白が4斗あたり16銭で、大杵一本の昼夜貸しが35銭でした。
もりやかけの値段は大正6年頃、5~6銭だったそうです。今は500円ぐらいですね。
とすると、この間の物価上昇は約10000倍といっていいでしょうか。
以上から、当時の料金を今日の価値で考えると、米の精白が200円/15kg、大杵1本の昼夜貸しが1750円ぐらいであろうと推定されます。
4斗の米精白に約4時間、同量の割麦を作るのに1昼夜かかったそうですが、このような大掛かりな機械で、時間をたっぷり使う作業に対する対価としては、今にしてみると、当時の料金はとんでもなく安かった、と言えるのではないでしょうか。
ちなみに、町なかのコイン精米機は、10kgの米の精米は数分で終了します。料金は200円です。
労働の対価という意味での料金概念に関し、今と昔のあいだにおおきな違いがあるように思えてなりません。
玄米を搗いたときの滓(かす)を糠(ぬか)、麦を挽いたときの滓を麩(ふすま)といいます。この滓には胚芽やセルロースという栄養素の詰まった部分が含まれていますから、簡単に捨ててしまうことは、賢者は許さないでしょう。しかし私のような愚者はうまみを追求します。そうするとどうしても、100%精白したものを食べ、糠や麩は利用することはありません。
聞いた話があります。大名や豪商だけが脚気になる、とか、大陸に出征した陸軍軍人が脚気になった、などの話です。この脚気の原因が白米を食べることにあることを鈴木梅太郎が発見(米の胚芽に多量に含まれているビタミンB1不足)したのでした。また、森鴎外が医師として誤判断をしたのでした。
今は飽食の時代ですし、あふれるほどのサプリメントが市販されていますから、脚気の心配はいりません。が、こんなところから食生活を見直すのも一興、かもしれません。」
つづく
1915年(大正3年)における、杵や臼の利用に関する料金表があります。それによりますと、米の精白が4斗あたり16銭で、大杵一本の昼夜貸しが35銭でした。
もりやかけの値段は大正6年頃、5~6銭だったそうです。今は500円ぐらいですね。
とすると、この間の物価上昇は約10000倍といっていいでしょうか。
以上から、当時の料金を今日の価値で考えると、米の精白が200円/15kg、大杵1本の昼夜貸しが1750円ぐらいであろうと推定されます。
4斗の米精白に約4時間、同量の割麦を作るのに1昼夜かかったそうですが、このような大掛かりな機械で、時間をたっぷり使う作業に対する対価としては、今にしてみると、当時の料金はとんでもなく安かった、と言えるのではないでしょうか。
ちなみに、町なかのコイン精米機は、10kgの米の精米は数分で終了します。料金は200円です。
労働の対価という意味での料金概念に関し、今と昔のあいだにおおきな違いがあるように思えてなりません。
玄米を搗いたときの滓(かす)を糠(ぬか)、麦を挽いたときの滓を麩(ふすま)といいます。この滓には胚芽やセルロースという栄養素の詰まった部分が含まれていますから、簡単に捨ててしまうことは、賢者は許さないでしょう。しかし私のような愚者はうまみを追求します。そうするとどうしても、100%精白したものを食べ、糠や麩は利用することはありません。
聞いた話があります。大名や豪商だけが脚気になる、とか、大陸に出征した陸軍軍人が脚気になった、などの話です。この脚気の原因が白米を食べることにあることを鈴木梅太郎が発見(米の胚芽に多量に含まれているビタミンB1不足)したのでした。また、森鴎外が医師として誤判断をしたのでした。
今は飽食の時代ですし、あふれるほどのサプリメントが市販されていますから、脚気の心配はいりません。が、こんなところから食生活を見直すのも一興、かもしれません。」
つづく