水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

湯島聖堂(3)

2013-03-15 09:26:42 | 湯島聖堂
絶句

湯島聖堂の寺子屋テキスト、初級編には、漢詩が五首載せられている。

・春眠暁を覚えず(孟浩然)
・千山鳥飛ぶこと絶え(柳宗元)
・千里鶯啼いて緑紅に映ず(杜牧)
・仙客来たり遊ぶ雲外の巓(石川丈山)

そして、杜甫による標題の首だ。

江(コウ)碧(ミドリ)にして鳥逾(イヨイヨ)白く
山青くして花然(モ)えんと欲す
今春看(ミスミス)又過ぐ
何れの日か是れ帰年ならん


今週の頭、マスコミは東日本大震災追悼一色であった。
「原発事故がなかったら」、復旧はもうすこしなんとかなっていただろうし、今後の展望も多少明るかったかもしれぬ。
がしかし、福島浜通り・中通りに関係する人々の心を思うと、出世できずに都落ちした時の詩とはいえ、杜甫のこの絶句は心に突き刺さる。


今年の春もまたたくまに過ぎていきます。いったいいつになったら故郷に帰れるのでしょうか?


50基を超える原発を、極めて安易に作り続けてきた、わたしたち日本人の責任はどうしようもなく重い。



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