「漢字検定全員合格」を目指して毎回参加している同市内の別の学習塾は、今回も数十人の小中学生が受検する予定。同塾教室長(47)は「生徒がさらに上の級を目指して頑張ってきただけに、受検を取りやめるわけにはいかない。漢字検定の価値は変わっておらず、中止は何としても避けてほしい」と困惑ぎみに話した。
■検定問題に多くの問題を抱え込んでいる今までの漢字検定で、級が上がったからと言っても漢字能力が向上した証明にはなりません。まあ、既に高校や大学の受験に使えるツールにまで成長してしまった「漢検の級」ですから、受験産業としては実に困ったことなのでありましょうなあ。
同協会本部の地元・京都市内にある学習塾でも従来通り申し込みを受け付けているものの、担当者は「検定が実施されるか見守るしかない。いろいろケースを想定して対応を検討している」とうんざりした様子で話した。……個人の受検者を受け付けている大阪市内の書店では、申込件数は前回と大きく変わっていないものの、中止の場合に事務的な混乱が起こることを心配する。担当者は「中止になれば、預かった受検料の返還はどうするのか。店頭で一人ずつに返金するわけにもいかない」と困惑。6月の検定については「受検者の気持ちを考えると、協会の問題で一方的に取りやめるのはどうか。検定をやめるにしてもその次からにしては」と話した。
■あまりにも大きくなり過ぎた検定商売ですから、「今回が最後」ということにして幕引きするのが一番よいのかも知れません。こうした検定制度では、基本的に申し込みをキャンセルすることは不可能という規定になっているようですから、騒ぎが起こる前に申し込んでしまった人達の中には抗議の意を示すための「欠席」が続出するかも?
ジュンク堂書店大阪本店(大阪市)では、今年2月に行われた検定では100件前後の申し込みがあったが、今回は2、3割減少したという。ただし、漢字に関する書籍の売れ行きは好調で、担当者は「協会の問題とは別に、漢字を勉強したいという人が減ったわけではなく、意外と冷静に受け止めているのでは」と話した。
2009年4月21日 産経ニュース
■そろそろ、漢字も英語も変な検定試験に合格するために学ぶものではなさそうだ、と気が付いてもよいかも知れませんなあ。日本には諸橋轍次先生が完成させた親文字5万余字・熟語53万余語を収録した『大漢和辞典』全15巻(大修館書店)という世界最大の漢和辞典もありますし、白川静先生の漢字学三部作『字統』『字訓』『字通』という畢生の字典もあります。その他、無数の漢字文化に関連する名著があるのですから、こつこつと自分の興味の赴くままに気長に勉強を続けるのが最善の策でありましょう。
■それにしても漢字検定を思い付いた大久保某の銭ゲバぶりは凄まじい!
財団法人・日本漢字能力検定協会(京都市)が、大久保昇前理事長らが代表を務めるファミリー企業4社と巨額の取引を行ってきた問題で、うち広告会社「メディアボックス」の直近決算期の売上高は約3億2300万円で、ほぼ全額を協会の委託に依存していた……。協会の設置した調査委員会は、同社が請け負った業務の大半を別会社に再委託していると指摘し「取引の必要性自体がまったく認められない」と批判している。……協会は同社に機関誌の編集・印刷や、協会の年間プロモーション企画・進行管理業務にかかわる広報業務などを委託。平成9年度から取引が始まり、20年度までの11年間の取引総額は約36億3100万円……。昨年5月期の売上高は約3億2300万円で、調査委はほぼ全額が協会との取引だったと指摘。同社の同期の純利益は2600万円、純資産は1億3900万円だったという。……同社は再委託先からの請求額より高い額を協会に請求し、差額を抜き取る形で利益を上げていたとみられるという。
■最悪の「丸投げ商法」を展開していたようですなあ。
■検定問題に多くの問題を抱え込んでいる今までの漢字検定で、級が上がったからと言っても漢字能力が向上した証明にはなりません。まあ、既に高校や大学の受験に使えるツールにまで成長してしまった「漢検の級」ですから、受験産業としては実に困ったことなのでありましょうなあ。
同協会本部の地元・京都市内にある学習塾でも従来通り申し込みを受け付けているものの、担当者は「検定が実施されるか見守るしかない。いろいろケースを想定して対応を検討している」とうんざりした様子で話した。……個人の受検者を受け付けている大阪市内の書店では、申込件数は前回と大きく変わっていないものの、中止の場合に事務的な混乱が起こることを心配する。担当者は「中止になれば、預かった受検料の返還はどうするのか。店頭で一人ずつに返金するわけにもいかない」と困惑。6月の検定については「受検者の気持ちを考えると、協会の問題で一方的に取りやめるのはどうか。検定をやめるにしてもその次からにしては」と話した。
■あまりにも大きくなり過ぎた検定商売ですから、「今回が最後」ということにして幕引きするのが一番よいのかも知れません。こうした検定制度では、基本的に申し込みをキャンセルすることは不可能という規定になっているようですから、騒ぎが起こる前に申し込んでしまった人達の中には抗議の意を示すための「欠席」が続出するかも?
ジュンク堂書店大阪本店(大阪市)では、今年2月に行われた検定では100件前後の申し込みがあったが、今回は2、3割減少したという。ただし、漢字に関する書籍の売れ行きは好調で、担当者は「協会の問題とは別に、漢字を勉強したいという人が減ったわけではなく、意外と冷静に受け止めているのでは」と話した。
2009年4月21日 産経ニュース
■そろそろ、漢字も英語も変な検定試験に合格するために学ぶものではなさそうだ、と気が付いてもよいかも知れませんなあ。日本には諸橋轍次先生が完成させた親文字5万余字・熟語53万余語を収録した『大漢和辞典』全15巻(大修館書店)という世界最大の漢和辞典もありますし、白川静先生の漢字学三部作『字統』『字訓』『字通』という畢生の字典もあります。その他、無数の漢字文化に関連する名著があるのですから、こつこつと自分の興味の赴くままに気長に勉強を続けるのが最善の策でありましょう。
■それにしても漢字検定を思い付いた大久保某の銭ゲバぶりは凄まじい!
財団法人・日本漢字能力検定協会(京都市)が、大久保昇前理事長らが代表を務めるファミリー企業4社と巨額の取引を行ってきた問題で、うち広告会社「メディアボックス」の直近決算期の売上高は約3億2300万円で、ほぼ全額を協会の委託に依存していた……。協会の設置した調査委員会は、同社が請け負った業務の大半を別会社に再委託していると指摘し「取引の必要性自体がまったく認められない」と批判している。……協会は同社に機関誌の編集・印刷や、協会の年間プロモーション企画・進行管理業務にかかわる広報業務などを委託。平成9年度から取引が始まり、20年度までの11年間の取引総額は約36億3100万円……。昨年5月期の売上高は約3億2300万円で、調査委はほぼ全額が協会との取引だったと指摘。同社の同期の純利益は2600万円、純資産は1億3900万円だったという。……同社は再委託先からの請求額より高い額を協会に請求し、差額を抜き取る形で利益を上げていたとみられるという。
■最悪の「丸投げ商法」を展開していたようですなあ。