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鵜呑みの前に

※初めての方はこちら「プロローグ」「このblogの趣旨」からお読みください。
※「極楽飯店」の第一話はこちらから。

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去る12日の土曜、一年ぶりとなる、賢者テラさんとのコラボトークライブがありました。

いやー、楽しかった。やっぱり一人でお話するよりも誰かと一緒の方が話に奥行きができていいですね。

また、投げかけられる質問にも、いつもとは違うアプローチがあって刺激的でした。

コラボ企画ならではだなぁと思ったのは、こんな質問でした。

「黒斎さんとテラさんの間で、一番意見が食い違うのは、どんな理解についてですか?」

多分、ですけど、この質問を寄せてくれた方は、僕のブログも、テラさんのブログも結構頻繁に読んでくれているんじゃないかなぁ、と思いました。

と言いますのも、僕たちのブログに書かれているその言葉をみれば、「この人たち、ホントは相手を嫌ってんじゃないだろうか」と思われてもしょうがないぐらい、主張が違っているように見える記事が多々あるものですから。

たとえば、僕がトークライブに限らず、このブログでもお話しているのが「ハートを開くことの重要性」。

僕が「なによりもハートを開くことが大切ですよ」とお話している一方、テラさんは「なんやそれ」とお話される。

「ハートを開くってどうやってやるの?どうやったら閉じるの? 具体的に、皆がきちんと分かるように説明してみ? 船が河を通る時に跳ね上がる橋のように、ゲートのように、心って開閉できるんかい? できないことは、やめよう」と、こうなるわけです(笑)


これだけを見たならば、二人のメッセージはみごとに真逆。

でも、僕もテラさんも、互いの理解に食い違いがあるとは思っていませんし、意見の対立もありません。

お互いの言葉に、腹を立てることもありませんし、傷つくこともありません。

それは、たとえ真逆の事を話していても、その言葉で同じ事を伝えようとしていることがわかるからです。(まぁ、仮に本当に意見が食い違ったとしても、「それに何の問題が?」となってしまうのが二人の共通点なのですが)


とにもかくにも、これが、言葉の持つ危うい特性。

発信源が誰であろうと、その言葉が発せられた背景が見えなければ、指し示された真意には、なかなかたどり着けません。

古今東西、どのマスターのメッセージも、真実(唯一の正しさ)を述べているわけではなく、ただの道案内にすぎないんです。


「さとり」や「真理」といった言葉を、仮に『駅』だとします。

ある日マスターが駅の南側を散歩しているとき、駅を目指して旅する人に、道を尋ねられました。

「すみません、駅はどこにありますか?」

当然、駅を知っているマスターはこう答えます。

「ここから北の方角にありますよ」


またある時、マスターが駅の北側で、同様の質問を受けました。

「すみません、駅はどこにありますか?」

「ここから南の方角にありますよ」


これが、メッセージ。同じマスターでも、時に言葉は真逆になりえます。

上記の道を尋ねられた状況・背景を知っていたら、「おい!おまえ!以前は『北に行け』って話してたじゃねーか!なんで今回は『南』って言うんだよ!アドバイスが真逆じゃねーか!」とか、「どっちが正しいんだよ!」とはなりませんよね。

「言葉を持ち歩くな」「メッセージは生もの(なまもの)」などと言われる理由は、この「言葉の背景」が消えてしまうからなんです。


精神世界や宗教系の話に限らず、僕たちはとかく「誰が話したのか」に重きを置きがちです。

その言葉の発信源は、信用できる人なのか、と。

そして、自分が「信用出来る」と認定した人の話を、ついつい鵜呑みにしてしまう人は少なくありません。


でもね、「誰が言ったのか」は、あまり重要な部分ではないんです。

もっと大切なのは、「何が話されているのか」という内容の側、そして、「どのような背景で、誰に話されたものなのか」という対象の側です。


僕もちょいちょい、「目からウロコが落ちました」「やっと腑に落ちました!」「心が軽くなりました!」など、ありがたいお言葉をいただくことがあるのですが、正直「それはちょっと、どうなんだろう」と思うこともあるんですね。

本当に真意が伝わって、そうなったのかなって。

どこか、わかってないのに、「誰それが言ったことだから」という理由で、わかったつもりになってないだろうかって。

これね、実は僕も結構陥りがちなところで、うちの奥様にもよく指摘されるんです。

「同じ事、私が言っても全然聞く耳持たないのに、阿部さんが言うと素直に聞くよね」とかね(笑)


「誰それが…」ではなく、「言葉」や「メッセージ」そのものが機能したかどうかを確認するのは簡単です。

「目からウロコが落ちました」「やっと腑に落ちました!」「心が軽くなりました!」となった、その言葉が、自分の一番信用していない人から発せられたとしても、同様に「目からウロコが落ちました」「やっと腑に落ちました!」「心が軽くなりました!」となったかどうか。


あっちもこっちもと、食べ歩きしてばかりしていると、食い過ぎでお腹を壊します。

食べなさすぎは栄養失調になっちゃうし、極度の偏食は栄養バランスが崩れます。

せっかく食材を受け取ったのに、食べずに持ち歩くだけなら、徐々に鮮度は落ち、いずれ食あたりを起こしてしまうまで劣化してしまいます。

どんなに優れたレシピを知っていても、実際に料理して食べないのであれば、いつまで経ってもお腹は満たされません。


どんなに素晴らしいメッセージだとしても、鵜呑みばかりしていたら消化不良を起こして当然です。

どうせ喰うなら、鵜呑みしないで、ちゃんと噛もうよ。



ちなみに、今日の「道案内」のお話も、やっぱり「例え話」でしかありません。

実際のマスターのメッセージって、「方角」じゃなかったりするからね。


「すみません、駅はどこにありますか?」

「あなたはすでに、駅にいますよ」

って感じで。




【トークライブ・インフォメーション】


雲 黒斎ソロトークライブ in 沖縄

お盆ど真ん中、だからでしょうか?
それとも、いよいよ嫌われだしたのでしょうか…
開催が刻々と近づいてまいりましたが、ビックリするほどお申し込みが伸びません(苦笑)
「あれですよね、沖縄の方って、直前になってバタバタっとお申し込みするタイプなんですよね!」
と、ただいま自分に言い聞かせながら皆様のお申し込みをお待ちしております。

今回はプロジェクターを使用したスライドショー形式で進行予定です。

8月9日(土)19:00スタート 主催/はーとおぶゆいまーるさま
 [詳細・お申し込み]はコチラ

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毎度好評いただいております、平日のお話会「月イチ☆」。
東京・大阪・名古屋ともに、8月開催分の受付を開始しました。

平日のお話会『月イチ☆』(東京開催)

7月22日(火)19:30スタート [詳細・お申し込み](完売御礼)
8月20日(水)19:30スタート [詳細・お申し込み]


平日のお話会『月イチ☆WEST』(大阪開催)

8月29日(金)19:00スタート [詳細・お申し込み]


平日のお話会『でら☆月イチ』(名古屋開催)

8月21日(木)19:00スタート [詳細・お申し込み]

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マッキー×黒斎の『人生のシフト』

二人の人生に、どんなシフトが起こったか。また、そのシフトの裏にはどんな背景があったのか。
今年、新刊の『人生のシフト』を上梓した牧野内大史さんとのコラボライブツアー。
今回は、東京・名古屋・大阪の3都市で開催します。
※9月6日(土)名古屋会場のスタート時間を30分前倒しで変更させていただきました。

【東京会場】8月23日(土)14:00スタート
【名古屋会場】9月6日(土)13:30スタート
【大阪会場】9月20日(土)14:00スタート

 各会場ともに[詳細・お申し込み]はコチラ



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