超高齢化社会に突入・・・・小さな対策

2008年01月31日 | 住まいづくり
 15年前に亡くなった祖父が90歳を迎えた晩年、食堂だとみんなの会話が聞き取れないと漏らした。言われてみれば食堂は耐火壁になっていて廻りも固いものばかりで音が反響するのだ。それ以来和室で食事をすることにした。

 年を取るということは、誰も経験のない世界である。実家の母がお医者様にひざの裏が痛いと訴えるのを聞いて、「運動不足のせいではないの」という私に、先生は「まだ若い私たちには分らないことが一杯あるのです。」と言われた。確かに自分で経験してみたことがないからあくまで想像するばかりだ。未知の世界なのだ。

 当社のモデルハウスの2階には板張り(全面ではないが)の部屋がある。来場者にそのお部屋で説明した後、隣のジュウタンでクロス張りのお部屋に移った時に「違いが分りますか?」とお声をかけることにしている。・・・・これでかなりご理解をいただいている。

 住宅雑誌を見ていたら、けっこう多いのだ。確かに「あこがれ」や「「自然素材志向」もあるけれど、全面板張りなんてせずに、ほどほどにしておいたほうがいいのになーと思ってしまう。

 木を使うという建て方の都合だけで建てられた建売住宅を見せてもらったことがある、和室の天井まで板張りだった。畳以外は壁も床も天井も板張り、おまけに外部にも板が使ってあったが、足場が必要な高さまでだったから、この後何年か毎の塗装のメンテナンスが続けられるのだろうかと心配になった。

 室内の板も塗装されてきれいには見えるが、これで木は呼吸できるのかなーと思ってしまった。

 正直に言えば、還暦にならない私でも、固い部屋では聞きづらいと思うことがある。
                          依田 美恵子

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする