子育ての悩みを解消いい子に育つには?アドラー心理学4つの知恵

2015年12月31日 17時39分26秒 | Weblog
http://visionary-mind.com/child-rearing

一生懸命子供を育てているはずなのにまったくいう事を聞いてくれない。このような悩みを持っている人はあなただけではありません。多くの人が子育てに悩みを持っているのです。

しかし、まったくといっていいほど子育の悩みをもっていない人もいます。素直でいい子に育つ子供はどのように育てられているのでしょうか?今回はその部分をアドラー心理学の観点からご説明させていただきます。

ヒントは過保護になりすぎないことです。子供は子供。自分は自分と割り切ることが何よりも大切だと言えます。

関連記事として理想の子供に育てる!子育てコーチングにおける3つの大事な事もご覧ください。子育てコーチングの方法について詳しくお伝えしております。

目次

1.優越性の追求
2.課題の分離
子供だけでは解決できない問題でも課題の分離?
3.対等なコミュニケーション
4.子供はほめても叱ってもいけない。ではどうする?
アイ(わたし)メッセージとユー(あなた)メッセージ
まとめ

1.優越性の追求

優越性の追求

人は誰しも無力な状態でこの世に生を受けます。アドラー心理学では人はこのような無力な状態を脱したいという普遍的な欲求を持っていると言います。この普遍的な欲求を優越性の追求と呼びます。人は生まれた時からよりよい自分になるために行動をし続けるのです。あかちゃんが教えずともハイハイをするのも、言葉を話し出すのも優越性の追求からくるものです。

子供は大人が正しく育てていくと、自らが優越性の追求によって育っていくものです。しかし、大人が自分の思い通りに子供を扱おうとすると一変します。子供は親からの圧力に屈し、ストレスをため続けてしまいます。

そして、優越性の追求を手放し、親の引いたレールをストレスを抱えたまま歩み続けなくてはいけないのだと思い込んでしまいます。これでは、健やかに育っていくとは言い難いでしょう。健やかに子育てをするには親による正しいコミュニケーションが必要なのです。子育ての悩みの大半は誤ったコミュニケーションが原因だと言えます。

優越性の追求に関して、より詳しくは人を必ず成功に導く21世紀の劇薬!アドラー心理学入門Ⅱ.劣等感を受け入れるをご覧ください。

2.課題の分離

課題の分離

本来子供は優越性の追求という視点からすると、ほっておいても着実に成長をしていくものです。にもかかわらず、多くの人が子育ての悩みを持つのはどうしてでしょう?それは親が課題の分離を出来ていないからだと言えます。課題の分離とは簡単に言ってしまうと自分は自分、人は人という考え方です。

たとえば自分の課題を人に指図されたらあなたはどのように思うでしょうか?例えば、ご近所の先輩ママさんに「夜中は近所迷惑になるから洗濯は18時までにしなさい」「町内会には出席しなさい」「近所づきあいは必ずしなさい」「あなたの子供とわたしの子供は帰り道一緒だから迎えにいきなさい」etc

自分の行動を上記のように指図されたらいかがでしょうか?きっと、はらわたが煮えくりかえるはずでしょう。なんで、この人に指図をされなければいけないの?と。。。

これは自分の課題(行動)を勝手に上から目線で決められるいらだちだと言えます。アドラー心理学ではこのような行為を人の課題に土足で踏み込む最低な行為だと評しています。対人関係のトラブルは土足で課題に踏み込まれる、または土足で他者の課題に踏み込むことが原因だとアドラー心理学では述べています。

アドラー心理学ではこのように上下のコミュニケーションでは課題の分離が出来ず、競争や対立しか生まないと考えています。上から目線で話す人が徹底的に人から嫌われるのはそのためです。

では、ここでお子さんとの関係について振り返ってみて下さい。自分のお子さんに対してはどうでしょう?課題の分離が出来ていると言えるでしょうか?子育ての悩みを持つ多くの人は課題の分離が出来ていないのです。
子供だけでは解決できない問題でも課題の分離?

夏休みの宿題を始業式1週間まえでも子供がやっていなかったらどうでしょうか?この場合も課題の分離をする必要があると思われますか?アドラー心理学では当然、子供の宿題は子供の責任の範囲内にあるのだから課題の分離は必要だという判断です。

では、夏休みを開けて、子供が宿題をやっていなかったらどうするんだ?とお考えかもしれません。その責任はお子さんにあるのですから、自分が悩みを背負い込む必要はありません。そんなバカな!?と聞こえてきそうですが、その通りなのです。

子供が宿題をやらないからと言って、親が子供に対して宿題をしろと強制することは子供の課題を親が奪っているということになります。これでは、子供には宿題をやる能力がないと親が決めつけていると受け止められてしまいます。親は自分の事をまったく信頼していないのだと。このような小さなことひとつひとつが子供の大きな悩みになっていくのです。

だからこそ、お子さんの課題はほっておけばいいのだと言えます。しかし、お子さんが自分から助けを求めてきた時は別です。そのような場合はしっかりとお子さんと向き合ってあげることが大切なのです。このような場合でも上からガミガミしかりつけるのではよくありません。後述するアイ・メッセージを使って下さい。

課題の分離を心掛けるだけでも、子育ての悩みを抱えることは少なくなっていきます。

3.対等なコミュニケーション

対等

多くの親は子供に対して対等なコミュニケーションを行っていません。子供は子供なんだから親が正しくしつけをするのは当然だという思いもあるでしょう。しかし、子供の立場からすれば、このような上下のコミュニケーションは受け入れられません。あなたが他人から上から目線で話されることを受け入れられないように。

自分は上から目線で話をされるのは受け入れられないけれども、子供は受け入れて当然だというのであればそれは親の身勝手なエゴと言えるでしょう。子供には子供の立場や考え方があるにもかかわらず、初めから聞く耳を持たないのですから。

アドラー心理学では人は誰しも同じではないけれども人間として対等だと言っています。それは子供に対しても同様です。子供の課題を奪い、子供と対等なコミュニケーションを放棄してしまうと時間とともに亀裂は大きくなりやがて修復は困難を極めていくでしょう。

上下のコミュニケーションを続けていけば、子供にとって一番の理解者であるはずの親が、一番の敵として見なされてしまうのも時間の問題です。謝った子育てをしていると悩みは大きくなるばかりだと言えます。

4.子供はほめても叱ってもいけない。ではどうする?

どうする?

ほめても叱ってもいけない?だったらどうするの?すべて子供の言いなりにでもなれっていうの?と思われたかも知れませんね。そういうことではありません。子供をほめるのも叱るのもいけない理由は、それが上下の関係によるコミュニケーションだからです。当然いいなりになる必要はありません。

たとえば100点を取った子供をほめたとします。それは100点を取ったことに対してほめているということになります。でも、これはよろしくありません。なぜならいい点数をとった自分はほめてもらえるけれども、いい成績をとらない自分には価値がないと無意識で思い込んでしまうからです。

これでは子供は常に親の目を気にしながら生きていかなければなりません。また、点数が悪くなったら自分自信にはなんの価値もないという悩みを持つことにつながってしまいます。子供の行為をほめるのも叱るのもいけないのは、その為です。ほめる行為も叱る行為も子供自身に愛情が向かっていないのだと言えます。
アイ(わたし)メッセージとユー(あなた)メッセージ

アドラー心理学では自分の感じている気持ちを相手に伝える言葉をアイ(わたし)メッセージといいます。逆に相手に対してほめたり、しかったりと評価するメッセージをユー(あなた)メッセージといいます。

ユー・メッセージが相手を評価するメッセージということは、上下のメッセージだということです。対等な立場ではなく上から相手を評価するメッセージとなります。受け取った側としても自分の自尊心を低くしてしまうやっかいなメッセージになるのです。

どういうことかといいますと、何かをする自分には価値があるけれども、何もしない自分は無価値な存在なのだという悩みが生じてしまいます。そのため、何かをする自分でなくてはいけない。無価値で存在価値がない自分になってしまってはいけないと思い込み、人からの承認をもらう事を重視するようになっていきます。

アドラー心理学では承認欲求が強くなると、自分を承認してくれる人は味方、承認してくれない人は敵と見なしてしまうようになると伝えています。よって自分に自信がないから承認されることだけが目的となる人生となってしまいます。当然、承認欲求に飢えている人はストレスがたまり不幸になっていくのです。

子育てを一歩間違えると、このように承認欲求に飢えた子供にしてしまいます。ではどうすればいいのか?それはアイ(わたし)メッセージを使う事です。

たとえば子供が100点を取ったとして、どのようなアイ・メッセージを伝えるかを例としてみていきましょう。

「(わたしは)とっても頑張ってきた姿を知っているから努力が実ってすごくうれしいよ。」

「ありがとう。勉強を頑張ってくれて(わたしは)とてもうれしいよ。」

「本当によかったね。(わたしは)こんなに素晴らしい息子で鼻が高いよ。」

など、自分の気持ちや感謝の言葉を伝えていくのです。アイ・メッセージを伝えることで対等なコミュニケーションとなります。また、人には他者貢献をしたいという本質的な欲求があります。ありがとうと言う言葉は人に貢献できたという気持ちを芽生えさせてくれる魔法の言葉です。

アドラー心理学ではありがとうのように人に感謝をすることを「勇気づけ」と呼んでいます。人に貢献できたという歓びを与えることこそが子供を自発的に育てる子育てだと言えます。
まとめ

今回のポイントは2つです。課題の分離は親子の間でも必要だと認識することと、子供に対して話をする時はアイ・メッセージを使うことです。この2点を心掛けるだけで、お子さんとのコミュニケーションはとても良好になるでしょう。

よりよい子育ては良質なコミュニケーションからはじまります。親のエゴを押し付けるのではなく、お子さんの自発性を伸ばしていくコミュニケーションにしていくだけできっと子育てはうまくいくことでしょう。


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