理事長ブログ 心と体を癒やす

健康とは「健体康心」の略語です。体が健やかで心が康らかな状態を指します。心身の健康をセルフケアする方法を紹介しています。

円心五法の真髄530 心が折れてしまう原因は疲労だった!

2016年02月17日 | Weblog
2015年12月に50人以上の従業員がいる事業所に「ストレスチェック」が義務化されました。従業員のメンタル不調を事前に防ぐのが目的です。それほど、働く人の心の不調が社会問題化してきているということです。

長年、自衛隊のメンタル教官として、カウンセリングや心の不調予防策を実施してこられ『自衛隊メンタル教官が教えてきた 自信がある人に変わるたった1つの方法』(朝日新聞出版)の著者である「下園壮太」さんの記事が「DIAMOND online」に掲載されていましたので、抜粋してご紹介します。

長年、自衛官のメンタル面のサポートをされ「同じ厳しい環境下の勤務でも、折れる人と折れない人がいる。その差は何なのだろう」と調査された結果、2つのパターンがあるというのです。

1つ目は、中レベルまでのストレス状態で「折れる」場合。みんな苦しいが、それを我慢してなんとかやっているし、やれている状態で、現代社会で働く人々のほとんどが、このストレス状態の中で仕事をしているといえます。

この状況で「折れる」人は、責任感がない、意欲がない、能力がない、小さなことで悩み傷つく、人に援助を求められないなどの特徴があるといいます。

確かに半数は、このイメージの通りで、こういう人へのケアは、挫折したつらさを理解すると同時に、厳しい社会で生き抜いていけるような、社会人として必要な考え方や仕事の仕方を教えることが重要だといえます。

ところが、能力があり、責任感と意欲があり、少々の挫折にはへこたれず、困ってもすぐに他者の援助を受けられる、そんな「折れそうもない人」が折れるのが、2つ目の、高レベルストレスで「折れる」場合だそうです。

高レベルで折れる人には特徴があり、中レベルのストレスでは「優秀」とされていた人が、突然折れてしまうのです。自衛隊には心身ともに強いストレスを与える訓練が多かったため、下園さんがメンタル面の安全係となり、訓練開始、訓練中、訓練後のメンタルチェックとケアを担当してこられました。

数カ月にわたる厳しい訓練に参加し、前半の厳しい訓練をトップクラスで終了した隊員に面接すると「全く問題ありません」と答えていました。ところが、訓練も後半に入って、一山超えたころ、その隊員が突然いなくなってしまいました。必死に探し出し、面接をしてみると、「うつ状態」に陥っていました。

このように、中レベルのストレスでは高いパフォーマンスを上げ、涼しい顔をしていた人が、ある時突然不調に陥るのが高レベルストレスでの折れ方の特徴の一つなのです。

自衛官、警察官、役所の職員、教員など、まじめに勤務してきた人が痴漢や窃盗などを働くことがあるのも、このパターンなのです。

なぜ優秀だった人が、突然折れてしまうのでしょうか。人は緊張すると疲労を感じないで仕事をすることができます。中レベルまで「よくできる人」は、疲労を感じない技術を高めてきている人が多いからなのです。

しかし、その人が高レベルのストレス状態に置かれると、ストレスの程度にもよりますが、困難な決心を伴う作業の連続でも、2~3カ月の間なら、本来の問題解決能力で、表面的な業務はうまくこなせているのです。

ところが、その間に「疲労」が蓄積していき、ある段階に達すると、体から脳に「これ以上動くな。弱っているからこれ以上の作業を命ずる人を警戒せよ」という指令が出て、意思とは関係なく、気力と集中力が低下します。本来の問題解決力が発揮できなくなり、トラブルが増えるのです。

この状態になるとイライラや猜疑心が強くなり、簡単に援助も求められなくなります。いつもの人とは違う状態になってしまうのです。これを下園さんは「別人化」と呼んでいます。優秀だった人が、突然業務を投げ出すなどの「折れる」という状態になってしまうのです。

「疲労」を解消するには充分な睡眠が必要になります。ストレス解消のためにゲームやスポーツ、お酒などが睡眠不足になるようであれば、高レベルストレスには逆効果になってしまいます。夕方に軽い運動をしたり、入浴で体を温め、フットセラピーでリラックスして質の高い睡眠をとることが大切ですね。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

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