「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

四肢たたむ駱駝に夕焼はじまれり 酒井恍山 (10月号渓流集)

2010-10-06 05:52:00 | 日記
 「駱駝」から、砂漠の広大な夕焼けが連想される。
 「夕焼」に、暑さから解放される時間帯を思う。
 四肢をたたんで休む駱駝が、金色に光りだしたかと思うと、
みるみる夕日の中でシルエットになっていく。
夕焼けのはじまりは、夜のはじまりでもある。月と星を道しる
べに、この駱駝はまた荷を運ぶのかもしれない。そう思うとキ
ャラバン隊が見えてくる。厳しく照りつける太陽の中を歩いて
きたキャラバン隊の、疲れの胸奥を潤す力をもった「夕焼」の
季語であると思った。(H)

コメントを投稿