「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

鬼房の海へ靡かせ春ショール 谷口加代 「滝」6月号<渓流集>

2013-06-10 06:19:57 | 日記
 佐藤鬼房は塩竈とゆかりの俳人。塩竈神社の鎮座する一森山
の西側、北浜沢乙線の一画に、鬼房が好んだ<小熊座七つ星>
の間隔を性格に復元して句碑が配置されている。その中に
「半夏の雨塩竈夜景母のごと 佐藤鬼房」
があり、弟子の渡辺誠一郎が“夏の雨の日、塩竈の夜景が海を
抱く姿で、母親のようにやさしげな印象だと詠った句”と鑑賞
しています。ふわふわした明るい色のショールが母親の優しさ
に繋がっているような印象を受け、海に佇む作者が目に残る作
品ですが、鬼房の海は、塩竈の海。震災の折の豹変の海など思
い出して、心中複雑な作者であるのかもしれません。(H)

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