「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

アナログとデジタルのずれ鎌鼬 外崎光秋 「滝」2月号<滝集>

2011-03-03 04:53:36 | 日記
 比べてみると分かるのですが、アナログテレビの画面とデ
ジタルテレビの画面にはわずかな時間のずれがあります。デ
ジタル放送は、高画質・高音質の情報を大量に電波で送るの
で、情報量はアナログ放送に比べ約十倍にものぼるため、一
旦「圧縮」という技術を使って情報量を小さくまとめ「伸張」
作業をして元に戻す必要があり、その作業時間が「ずれ」と
なるのです。「鎌鼬」は、何かのはずみで空気中に真空状態
が生じ、その境目に触れると皮膚が切れてしまうことを言う
のですが、昔は目に見えないイタチのしわざと考えられてい
たそうです。アナログとデジタルの「ずれ」も鎌鼬の仕業。
共に私たちの目に見えないところで起きていること。季語を
うまく使った句だと思いました。
 正確な時報を送る事が出来なくなったため、時報をやめて
しまったNHK。鎌鼬は時空の時間軸に生息しているのかもし
れません。(H)

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