「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

天地の青のあはひを鳥帰る 加藤信子

2020-05-23 12:40:03 | 日記
三層の映像の作り方がたくみですね。天地(あめつち)の青ですから、空の青と地の緑です。その間を渡り鳥が帰っていきます。その先の海までを想像させる詠みで、春の淡い海の色から、北国の冷たい海へと、鳥は過酷な旅に旅たちます。無事に目的地に行けますようにと願う視線も思われて、ちょっぴり感傷的な作者ですね。(博子)