「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

胸底の鹹湖干上がりこの春は 成田一子

2020-05-07 04:28:06 | 日記
「鹹湖(かんこ)」は「塩湖」と同じ意味だが何故あえて馴染みのない「鹹」の字を使ったのかと検索すると中国の言葉であった。新型コロナウイル感染症の防疫につとめる「この春」と呼応を図ったかと思われる。鹹湖は潤いを失い、白くカサカサと乾いて、まるで冬景色のような温度覚と塩辛いという味覚を心中に置くのだ。辛(から)いと辛(つら)いは同じ漢字が使われる。そんな解釈をして、何となく分かった気になったのだがどうなのだろう。(博子)