オカリナの穴のふかぶか冬の虹 今野紀美子 2020-03-18 05:18:44 | 日記 空間を大きくとった視覚と視覚の句だが凍て空に鮮やかに架かった冬の虹に重きを置くのだろう。めったに見られない冬の虹は作者に心の春のような希望やときめきを残したのか、吹けば、素朴な温かい音色を持つオカリナが思われた。しかし、「穴のふかぶか」と描写した黙したオカリナ。「オカリナは陶器であり、陶器は土であり、土中には冬ごもりの生き物たちが眠っている。鳩の形をして飛ばないオカリナ」。私の勝手な連想に共感してくれる人は居るだろうか。兎にも角にも、儚いけれど鮮烈な冬の虹が目に残った。(博子)