次第に明けて行く元旦の空。清新な淑気を感じながら思いはシルクロードへ。シルクロードはユーラシアを東西に走る交易路。絹の取引だけをしていたわけではなく、玉や仏教、野菜、果物、様々なものや文化がこの道を通って運ばれました。奈良・正倉院に残された宝物などもこのシルクロードを通って伝わったと言われています。そんな歴史が、人々の初空の共有に変換されたのだろうか。「人は点」と、空撮のような視線に、空の広さに登る太陽と、その景色の色味と、喜多郎のシンセサイザーの音と共に私も小さな点の一つとなって初美空を見上げているような客観を感じる句だった。(博子)