「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

つかのまの恋の弾けし夏の月 今野紀美子

2019-11-11 03:27:26 | 日記
恋は突然やってくるが既婚者であるがゆえに抑制も働く。それでも心のときめいたことが何だか嬉しい。少しの間だったけれど、身の中が恋という感情に満たされた。素敵な人だったけれど二度と会えないだろう予感に小さな自爆を起こしている。そんな感じだろか。「夏の月」という心理的に夜涼を誘う季語が、恋したお相手の佇まいを言わずに醸し出しているようでもあり、恋の後味のようでもあり、魅かれた句。(博子)