「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

月までの道ランタンに誘はれ 小林邦子

2019-11-09 03:21:18 | 日記
 なんと神秘的な景だろうか、とうっとりしていたが間もなく我に返った。たぶんこのランタンは鎮魂のために灯されたものだろう。例えば、東日本大震災の発生から8年5カ月となった8月11日、石巻市で追悼行事「ココロの灯(あか)り」が開かれた。盆の迎え火として計約1550個の灯籠やランタンに明かりをともし、多くの参加者が犠牲者の鎮魂を祈った。通りの両脇に灯された明かりが、通りの終の空に月を見せている。そんな光景かと思う。亡き人への思いを乗せたランタンは震災の犠牲者ばかりでなく、すべての大切な命を忍んで灯されているのだろう。黙祷。(博子)