天体のざわめいてゐる蔓たぐり 石母田星人 「滝」12月号＜瀬音集＞

不　思議な宇宙世界の地球という星に私達は存在する。私は
子供のころ「オリオン舞たち・スバルはさざめく・・・」と
口ずさみながら冬の空を仰いだものである。
　ガリレオ以降はるか遠くの天体を見ることができるように
なった。今日宇宙空間に天体観測の名のもと各種のロケット
が地球から打ち上げられている。人工衛星は天体の仲間入り
をして暗黒の宇宙空間を飛び交っている。
　今朝の（⒓月8日）紙面に「あかつき」きょう投入金星に
再挑戦とある。２０１０年種子島宇宙センターから打ち上げ
られた日本初の惑星探査機で、金星をまわる軌道への投入に
向けたエンジン噴射は５年ぶりに再挑戦というのである。
　掲出句、無数の天体がざわめいているという。言い得て妙
である。蔓たぐりの添景もよく似合っている。（庄子紀子）