「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

網走の寒さ積みたる巨船かな 阿部風々子 「滝」12月号<瀬音集>

2015-12-15 03:45:04 | 日記
 網走というと港、刑務所を思い浮かぶ。又、網走の夕暮れ
を詠んだ 臼田亜浪 の次の句も。
 「今日も暮るる吹雪の底の大日輪」
 掲出句、寒さを形ある物と捉え「積む」と表現した。この
斬新さ、独創性がひかる。厳冬の網走と真正面に対峙し、港
を直感的に捉えている。この巨船の存在感は動かない。
 作者のひたむきな姿がにじみでている。北海道在住の作者
ならではの一句である。(庄子紀子)