時々登場する、当年13歳、100匹以上の子猫を生み、今や化け猫(?)の域に達している「シャレヌシュカ」の飼い主、テメヌシュかばあちゃんの嘆き・・・ 「エミリアが貸したお金を返してくれない!!」
同じ住居棟に住むエミリアは50代。息子とテレビ局に勤めていてキチンと収入もあるのに、年金生活者テメヌシュカのところにしょっちゅうお金を借りに来ます。
「電話代が払えないと仕事に支障をきたすの。お願い、20レバ貸して!!」
「息子が出張に行かなきゃ行けない、けどガソリン代が手元になくて・・・ お願い、20レバ貸して!!」・・・ ってな具合らしいっス。足が痛くて買い物にも行けないテメヌシュカからすると、なんだかしょっちゅう出歩いているエミリアに買い物をよく頼んでいるので、まァ“もちつもたれつ”、お金もすぐに返してくれれば問題はないんだけど。どうも最近は滞り気味・・・ ついにトータル3000レバくらい貸したお金が返ってこないんだとか。自分の薬代にもひびいてきちゃった。「もう貸さなきゃいいじゃん!!」と言っても、エミリアは『一度来たら貸してくれるまで帰らない作戦」だそうで、もう最後には貸して帰ってもらうんだそうです。ご近所みんなこのエミリアの性格を知っていて、だれも相手にしてないもんだから、ますますテメヌシュカばあちゃんのところに来ているのです。
この冬の間、ウチの住居棟も「珍客」というか、このヴホッド(入口)から忍び込んで階段の最上階のところで越冬しようとしたホームレスがいたらしいのです。ウチの下の階に住むご近所さんから、
「だから夜の間は必ずカギをかけて寝ないとダメよ!!」 聞くところによると地下室に侵入され、保存食がいくらか盗まれたみたい。日本人からするとこれは完全な「不法侵入、占拠、窃盗」に見えるんだけど、その辺ブルガリアに住んでワタシも少しおおらかになったのかなぁ・・・ この超不景気なブルガリア、もしそういうホームレスを追い出したとしてその辺で凍死、餓死されたりでもしたら寝覚めが悪くなりそうだし。ワタシのせいじゃなくても、ネ・・・
どこのウチにも盗みには入らなかったんでよかった~!! そしてそのうち暖かくなってきたらいなくなったから、本当にただ、ブルガリア語でいうところの「ポッスロン」(「雨露をしのぐ場所」の意。ちなみにこの言葉、「ポッド」(下)という語と「スロン」という語に分けれるのですが、スロンって「象」って意味なんですよ・・・ 「象の下」?!)を一時的に必要としていただけらしい。にしても、平気でひとんチ(?)に居座るとは・・・
ちなみに、上記のエミリアのような人のことを「ナハレン(女性形はナハルナ)」というそうです。自分の利益や権利を強く主張する人のことを言うのですが、この言葉、ワンワンと吠え立てて周りを威嚇して自分の縄張りを主張するノラ犬にもつかわれる形容詞。まァ、そういう勢い、ということのようです。最近のソフィア、特に西側の庶民エリアではよく聞きます。こっちは治安もどんどん悪くなってきて、「リューリンってヤバいよネ~」と言われつつあります・・・。