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太宰治とたばこ(その4)

2015年02月08日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
「読んでおきたいベスト集!『太宰治』」その4です。お母さんを悲しませる自分を自虐的に表現する得意のパターンです。物悲しくも、確信犯的な太宰治氏の優しさの裏返し、といったところですね。

『きりぎりす』

180ページ
私が、紅茶の皿を持ち上げた時、意地悪くからだが震えて、スプーンが皿の上でかちゃかちゃ鳴って、ひどく困りました。家へ帰ってから、母は、あなたの悪口を、一そう強く言っていました。あなたが煙草ばかり吸って、母には、ろくに話をしてあげなかったのが、なによりいけなかったようでした。人相が悪い、という事も、しきりに言っていました。見込みがないというのです。
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太宰治とたばこ(その3)〈英訳付〉

2015年02月07日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
「読んでおきたいベスト集!『太宰治』」その3は、現在のようなフィルター付きのたばこではないのですが、両切りタバコでもない口付きタバコ「敷島」について、『女生徒』の中で痛烈に非難しています。両切りタバコは、どうしても煙草の刻みが唇に付いたり、ヤニっぽかったりしますので、少しでもそれを緩和する空洞の吸い口を付けた『敷島』が流行したのでしょう。それに対して、あくまでも煙草は両切りだ、と文句を言っているのです。どうでもいいようなことに、太宰治氏の真剣さが面白いですね。

『女生徒』

137ページ
なぜ、敷島なぞを吸うのだろう。両切の煙草でないと、なんだか、不潔な感じがする。煙草は、両切に限る。敷島なぞを吸っていると、その人の人格までが、疑わしくなるのだ。いちいち天井向いて煙を吐いて、はあ、はあ、なるほど、なんて言っている。

'The best collection you'll ever read!' Osamu Dazai", No. 3, in "Onna Gakusei", bitterly criticises the "Shikishima", a cigarette with a mouthpiece that is not a double-cut cigarette, although it is not a cigarette with a filter as we know it today. The double-slit cigarettes inevitably have tobacco tines on the lips and are yucky, so the 'Shikishima', which has a hollow mouthpiece that alleviates this as much as possible, must have been popular. In contrast, I am complaining that cigarettes are only a double cut. It is interesting to see how serious Osamu Dazai is about something that seems so unimportant.

'The Girl Student'

Page 137.
Why do they smoke shikishima? If it's not a double-cut cigarette, I feel it's kind of filthy. Cigarettes must be double-edged. When you smoke shikishima, even your personality becomes questionable. Every time I look at the ceiling and exhale, I say, 'Ha, ha, ha, I see'.



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太宰治とたばこ(その2)

2015年02月06日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
旧芝離宮の水仙(2015.2.2)

「読んでおきたいベスト集!『太宰治』」その2は『富獄百景』からの抜き書きです。恩師で大文豪の井伏鱒二さんも、太宰治氏にかかればコミカルに描かれてしまいます。自分の仕事が遅いことをいいことに、今や世界遺産の富士山にまで悪たれ口をたたきます。太宰治氏が吸っていたのは、たしかに両切りタバコの「ゴールデンバット」ですね。

『富獄百景』

78ページ
井伏氏は、濃い霧の底、岩に腰をおろし、ゆっくりタ煙草を吸いながら、放屁なされた。いかにもつまらなさそうであった。

79ページ
「どうも俗だね。お富士さん、という感じじゃないか」
「見ているほうで、あえって、てれるね」
などと生意気なこと言って、煙草をふかし、そのうちに、友人は、ふと、
「おや、あの形相のものは、なんだね?」と顎でしゃくった。

89ページ
10月のなかば過ぎても、私の仕事は遅々として進まぬ。人が恋しい。夕焼け赤き雁の腹雲、2階の廊下で、ひとり煙草を吸いながら、わざと富士には目もくれず、それこそ血の滴るような真っ赤な山の紅葉を、凝視していた。

95ページ
甲府へ行ってきて、2、3日、流石に私はぼんやりして、仕事をしする気も起こらず、机のまえに座って、とりとめのない楽書をしながら、バットを7箱も8箱も吸い、また寝ころんで、金剛石も磨かずば、という唱歌を、繰り返し繰り返し歌ってみたりしているばかりで、小説は、1枚も書きすすめることができなかった。

97ページ
私は、やはり2階から降りていって、隅の椅子に腰をおろし、煙草をふかした。
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芝公園の梅が開花しました!

2015年02月05日 | O60→70(オーバー70歳)
2月3日のお昼休み時間、「そろそろ梅が咲き始めているかも知れない」と思い、に芝公園へ出かけてみました。東京タワーを背景に、早咲きの梅が開花していました。日当たりの良い梅園のベンチで、梅花を眺めながら梅干し入りのおにぎりを食べました。
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太宰治とたばこ(その1)〈英訳付〉

2015年02月04日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
先日、宝島社の「読んでおきたいベスト集!『太宰治』」の中で、たばこが出てくる記述を抜き書きしてみました。今回はその1です。太宰治さんは、一部を除き「たばこ」を「煙草」と記しており、しかも両切りタバコを愛好していたようです。

『ダス・ゲマイネ』

43ページ
ほどなく暑中休暇に入り、東京から200里はなれた本州の北端の山の中にある私の生家に帰って、1日1日栗の木のしたにねそべり、煙草を1日70本ずつ吸ってぼんやり暮らしていた。

58ページ
佐竹はしずかに腕を伸ばして吸いかけの煙草の火を山脇の端にぴったりとおしつけた。そうして佐竹の姿は厳のように自然であった。

The other day, I picked up a passage about cigarettes in Takarajimasha's "Best collection to read! 'Osamu Dazai'".

This time it's part 1.

Osamu Dazai wrote "tobacco" as "TOBACCO" except for a part, and he seems to have been a fan of double-cut tobacco.

"Das Gemeine"

<page 43>
Shortly after, summer vacation began, and I returned to my birthplace in the mountains on the northern tip of Honshu, 200 ri from Tokyo. I lived in a daze.

<Page 58>
Satake quietly stretched out his arm and pressed the flame of his cigarette close to the edge of Yamawaki. Satake's appearance was as natural as a rock.



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NHK公開番組に応募してみました!

2015年02月03日 | O60→70(オーバー70歳)
狙いは、毎週火曜日の「NHK歌謡コンサート」の3月放送分です。NHKホール開催の3回分、それぞれ一枚応募しました。昨年と先月、合わせて5回も先輩のご厚意で行きましたが、今回は試しに自分でやってみました。どうか一回ぐらい当選しますように!
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路上禁煙地区は大阪でも…!

2015年02月02日 | たばこをめぐる見聞記
ホーブ外国語学院の所在地大阪京橋は、今月から路上喫煙禁止地区になったそうです。しかも違反した場合は、1000円の罰則が課せられます。路上喫煙禁止や受動喫煙防止が、自治体レベルで施行されると、東京都港区の場合もそうでしたが、一気にたばこの吸える場所が減ってしまいます。いったいどこまでやれば、喫煙規制が底を打つのでしょうか? ため息が出てしまいますね。
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参った、困った、弱ったは言わない!

2015年02月01日 | O60→70(オーバー70歳)
【1月14日・満金師匠の年頭挨拶】

明けましておめでとうございます。昨年は非常にいい年でした。今年はさらにいい年になると思います。人間はプラス思考でいかないと幸せが逃げていっちゃうんです。それから、できるだけ孫のことはしゃべんない方がいい。年配になれば必ず孫がいるというものであありません。今は10人のうち4人、男の子は結婚できない。10人のうち3人、女は嫁さんに行かない。もらえない男性と行かない女性、人口が増えるわけがない。今の若い男は雑学を勉強していない。だから女性をくどけない。若い女性はリッチだから男と結婚しない。これはもう大変なことです。毎年、毎年相当の人口が減っちゃう。増えていくのは年寄りばかり。私ら、毎月2回カラオケルームに集まりますが、そこで「参った、困った、弱った。病気の話、薬の話、孫の話はしない。そしてテーブルから下の話はしない。これを英語でいうと下ネタになります」というルールを作り、これをしゃべった人は100円、ペナルティBOXに払うようにしています。そういうことで、常にプラス思考、これが大切なんです。1月21日には恒例の「初笑い」があります。いつもベルディでやっていたのですが、つまんないから川霧の湯で、バスをチャーターしました。行けない方は仕事の都合でしょうがない。楽しい会にしたいと思っております。今年も皆さん、目一杯楽しみたいと思っております。どうぞマイナスのことは言わないで、プラス思考で今年も目一杯楽しみましょう。
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