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太宰治とたばこ(その4)

2015年02月08日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
「読んでおきたいベスト集!『太宰治』」その4です。お母さんを悲しませる自分を自虐的に表現する得意のパターンです。物悲しくも、確信犯的な太宰治氏の優しさの裏返し、といったところですね。

『きりぎりす』

180ページ
私が、紅茶の皿を持ち上げた時、意地悪くからだが震えて、スプーンが皿の上でかちゃかちゃ鳴って、ひどく困りました。家へ帰ってから、母は、あなたの悪口を、一そう強く言っていました。あなたが煙草ばかり吸って、母には、ろくに話をしてあげなかったのが、なによりいけなかったようでした。人相が悪い、という事も、しきりに言っていました。見込みがないというのです。
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